-殻-
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言葉を綴らない間にも、僕の中にはどうしようもなく思考だけが流れ続けた。
それはまるでラジオからこぼれる聞きなれた流行りの音楽のようでもあり、 都会の街角の喧騒のようでもあり、 六月の止まない雨音のようでもあった。 夏は終わりを迎えようとしている。 何かを選ぶ代わりに、僕は失わなければならない。 それは当然のことなのだ。 季節が移るように、 君も僕も、変わってゆく。 それは、当然のこと、なのだ。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |