-殻-

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2002年06月25日(火) 傘がない

昨日は同期の女の子とゴハンを食べた。
彼女は駅で待っていてくれて、二人で一つの傘を差して店まで歩いた。

他愛のない話をした。
ちょっとした噂話。
彼のこと。
仕事のこと。

帰り道、寮まで歩いて帰るって言う僕に彼女は
「傘、持ってっていいよ。」
という。

僕は断った。
「だめ。絶対ダメ。持ってって。」
彼女は言う。

コンビニがあるからビニール傘を買っていく、と僕が言う。
「じゃあ、あたしが買ってあげる。」
彼女がそう言って、自分で買うからと止めるのも聞かずに傘を買う。

「会社の置き傘にでもしてよ。」
彼女は言う。
僕は、ごめんな、ありがとう、と言って彼女と別れた。


雨は、天罰のようなものなんだろうか。
ただ濡れて歩くことくらいで、少しだけでも贖罪になるだろうか。
濡れて行こうと思ってた。
雨を受けることが、精一杯の抵抗だったのかも。

でも、僕は救われてしまった。
惨めな自分を、ずぶ濡れの自分を想像することで慰めようとしてた。
彼女はそれを許さなかった。



そう。

雨の日には誰だって傘を差すんだ。




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しんMAIL

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