-殻-
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一年の留学期間を終え、僕は帰国した。
そして、仕事に就いた。 配属された先はなんと、Y市。 FのいるH市からわずか1時間、Yの住むT市から2時間。 この広い日本で、3人が同じ地方に就職してしまった。 もちろん、なんの打ち合わせもない。 それぞれが全く違う仕事をしているわけだから、選べるわけがない。 こういうときに僕は、運命というものを感じずにはいられない。 3人とも、さすがにこれには驚いた。 もう二度と3人で会うことなどないかもしれない、と思っていたのだから。 そして、だからこそあのライブをやったのだから。 と、驚いているうちに、まさしさん(仮名)が結婚するという話が転がり込んできた。そして、余興として何曲かやってくれという。 結婚式は8月10日。 僕ら3人は、週末にH市のFの家に集まり、ちょこちょこと練習している。 お互い、年を重ねて、少しずつ変わってきた。 これからも変わっていくだろう。 だけど、やっぱり僕らは仲間なのだ。 それだけは、きっと、ずっと、変わることはないのだ。 それがきっと、運命というやつなのだ。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |