-殻-

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2002年02月15日(金) 夢を見た

恐い夢を見たんです。

君が、いなくなってしまう夢を。

真っ暗で、手を伸ばしても何もつかめない。

歩き出そうとしても足が重くて、

耳を澄ましても何も聞こえなくて。

ただ、

恐くて恐くて、

泣きそうになって、

「これはきっと夢なんだ、そうなんだ」って

自分に言い聞かせて。

ひたすら目が覚めるように祈っても、

意識はどんどんはっきりしてきて、

どうにも取り返しがつかないことばかりが

こころに浮かんでくるんです。

どうして、

あのとき、

ぼくは。

君の手を離してしまったのかと。

あの時感じたほんの少しの不安が、

今、こんなに大きくなってぼくを飲み込もうとしてる。

あがいてあがいて、

一体どれくらいの時間が経ったのかわからない。

苦しくて苦しくて、

後悔に焼かれて、

胸をかきむしって。



ふと、

目が覚めて。

一瞬、何が現実で何が夢なのかわからなくなって。

そして、君が僕の隣で、いつものように、

やすらかに寝息を立てて、

しあわせそうに眠っていることに気がついて、

やっとあれが夢だったことに気がついたんです。



ああ、

どうか、

この安らぎがずっと、

ずっとずっとずっと

この先も、

続いてゆきますように。

そっとそう呟いたら、

何故か泣きそうになりました。

そんなことをもう何度繰り返したことか。

ただぼくは、

もうなにも

これ以上、

失いたくないのです。


君だけは、

君だけは、

いつまでも、

ぼくのそばに。


そしてぼくは、そっと君を抱き寄せて、

眠っている君の頬に、

やさしく、

愛おしむように、

キスを





しようとしたら、

「いやー!!」

って寝ぼけた君は突然叫んで

ぼくを払いのけました。くすん。


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