-殻-
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ねえ、僕はそんなふうに、
少しずつ汚れつつも現実と折り合いをつけながら、 ささやかに、軽やかに生きていたいと願っているんだよ。 ほんとうにそう願っているんだよ。 曖昧な言葉を嫌悪しつつ、 形而上の概念に逃げながらも、 少しでも今ここにある存在を受け止めながら、 安らいでいられるようになりたいと、 願っているんだ。 実在を感じることは、 自己存在を信じることに依ってしかなされなくて、 僕が迷い込んでいる意味上の世界を形作る全ては、 実はそんなにも曖昧なものに依存していて、 それがまた僕を憂鬱にさせるんだ。 ただ君のように、 全てを受け入れて、 そこに居続けることだけがきっと、 僕に答えをくれる。 きっと、そうなんだ。 だから僕は、君がここにいるっていうことを信じたいんだ。 そして君が僕を受け入れてくれることで、 僕は自分の実在を感じられる。 僕は弱い人間だから、 僕以外の何かに実在の根拠を求めてしまうんだよ。 君にそれを受け入れて欲しいんだ。 僕に、意味を、ください。 僕が、ここにいる、意味を。 たとえそれが痛みでもいいから。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |