懊悩煩悩
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二度目見てきました。一般公開ではこれが初、ということで二時間半前に到着しても既に列が。しかしこの間のピカデリーでの待機と違って暖かい場所で二時間ほど待つってのは有難いなあ。晩ご飯も食べに行ってる暇がないのでひもじくジャンクフード買ってきてもぐもぐと。パンフは5日にもう買っておいたので今回はグッズをもりもり購入。エルフのブローチ、滅びの山&リングのピンバッチ、アラゴルンの剣モチーフのペーパーナイフ、ブックカバー5枚でしめて10400円。一緒に見に行った人ももりっとブックカバー買ってたんですが、私とその知人とでブックカバーの在庫が切れてしまったそうで。映画館側もさすがに先行でそんなにブックカバーが売れるとは思ってなかったのか。現在注文中なのでまた入荷するとのことでしたが。
前に並んでたのがとにかく大声で自分は今までどんな映画を見ただの、原作ではこういう展開だの得意げにしゃべり倒す輩だったのでとんでもなく鬱陶しかった。私らはまあ原作読んでるしもう映画も見て二回目だからどうってことはないですが未見であろう周囲の人への迷惑とか考えないのかと。実際ウザそうな顔してる人チラホラいたしなあ。館内入って映画始まってもまだしゃべってるし…エンディングになってもしゃべりよった時はいい加減しばき倒してやろかとも思ったんですが、通路挟んで後ろにいたヤツにボロボロ泣き崩れている女が注意するのはあまりにも鬼気迫りすぎかと思ってやめてしまった…
●ネタバレてんこ盛りなので注意(重大なセリフ等は反転させときますが) で、映画ですが二度目の方がよりエモーショナルに見ることが出来たなあと思いますね。一度見てどこがカットされてるとかそういう覚悟(?)が出来てるからか、しっかり集中出来たし。さらに、二度目ということで字幕を見るよりセリフをきちんと聞き取ることが出来たというのも大きい。やっぱりなっち訳は信用出来ないなというのを改めて確信いたした次第です。滅びの亀裂での「Don't let you go」が「放さないで」ってどういうことなんだ…一回目見たとき、意味掴めなくて一瞬キョトンとしてしまったんですわ。ちくしょう、あんな大事なシーンでやらかしおった!あとなっちの十八番、「ホビット庄のことを?」もクライマックスでやっぱりきてたー!げんなりすることうけあいです。そして灰色港のフロドのセリフ…「I tried to save the Shire,and it has been saved,but not for me」の最後のnot for meの部分をなぜ「僕は行かなきゃ」にしてしまうのか。大事なシーンなのになんてしどい訳!それ以外はおそらく田中明子氏の手が随分と入っているのか、良かったかなとは思いますが。
RotKは3時間20分と長丁場ですが、全くだれることなくラストまで突き進んでいくので、むしろもっと時間が欲しいくらい。サルマンや寮病院のシーンはカットするにせよ、デネソールがあれでは只の狂人だわ。彼なりの葛藤やら何やらも含めて描かないと、せっかくミナス・ティリスの都は荘厳で格好いいのに勿体ない。どう考えてもゴンドールよりローハンに就職希望したい感じ。セオデン王の演説がかっこよすぎてゾクッと震えがきた…TTTのヘルム峡谷の戦闘シーンも格好良かったけど、今回は更にしびれ度UP。とにかくスケールがデカい。PJのすごいところは、スケールのデカさだけじゃなく、ちゃんと人々の細かい表情も描いてるところだと思います。アップを使うところと、引きのアングルの使いどころ、更にそれを音楽とマッチさせる素晴らしさ。烽火がどんどん伝わっていくシーンはじんわりうるうるくるものが。ガンダルフのミナス・ティリスの宮殿に入っていくシーンは格好よすぎる。LotR、TTTとガンダルフは私的に萌え〜な感じだったんですが、今回は燃え!燃え!燃え!っつーかガンダルフ最強すぎ。
もうラストでは涙の堤防大決壊でしまいにゃ声出そうなぐらいしゃくり上げてました。さすがに嗚咽レベルになると周りに迷惑かけるので必死で我慢してましたがそれはそれで恐いような。エンディングテーマでまたボロ泣き。あの歌詞はいかん、いかんぜよ、涙が止まらないぜよ。エンディングの前に、「THE END」とクレジットが出るのがまたいっそう寂しくて…もう続きはないんだと思うと。SEEのリリースはあるけど、それはあくまでRotK映画版に映像を追加するのであって、続きではないわけだから。
RotKに不満がないと言えば嘘になるし(カットされたシーンの数々に、外してほしくない重要なシーンがあったり、もっとフロドとサムの旅に時間を割いてほしかったというのもあるし…キリス・ウンゴルの塔のシーンが随分と短かったり、ミナス・モルグルのシーンが短いし、それゆえにフロドが指輪にずんずん侵されていっているのがわかりにくかったことは否めないので。あとサムワイズ殿の決断がなかったゆえに、灰色港のフロドの「いつかお前の番もくる」がカットされたわけで。エンディングのフロドの「二つのものに引き裂かれることなく〜」というのも、それに関わるシーンがないので原作未読者にはわかりづらいと思います)正直詰め込みすぎてじっくりキャラクターに感情移入する間が与えられないのは残念でならない。一般人、というか原作未読者には不親切なシーンも山盛りだし。けれど、それらを差し引いたとしてもこの壮大な物語をよくぞまとめ上げたとPJならびにスタッフを賞賛したい。文庫本にして10冊にも及ぶこの話を、トータル10時間弱にまとめあげるのは到底無理なことなわけです。原作者のトールキンはもうお亡くなりになっているから、監督独自の解釈で作り上げられていくわけですし。おそらく、万人が納得する形には誰がやったところでならないと思います。それを敢えて挑戦したこと自体に拍手を贈りたいし、ここまでのクオリティに仕上げられたことには惜しみない賞賛を贈りたいと思います。
●とりあえずネタバレ終了
とまあつらつらと書いてしまいましたが、是非皆さん見に行ってくださいまし!そして見るなら是非二回は見てくださいましね。きっと一回目とは違う見方が出来ると思います。さらに原作を読んでくれたらもっと嬉しい。出来れば追補編も読んで、あの素っ気なく時系列で書かれた文章の中に宿っている様々な物語を思っていただきたい。私はこれから関連書籍とホビットの冒険、シルマリルに手を出していこうと思っております。トールキンの深遠なる世界を、たっぷりと味わうために。
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