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2005年01月30日(日) 炎の焼肉と炎の八つ当たり

今年は色々と不幸が続き大変な一年の始まりだった。
すべての葬式も無事終わり、みんなで「ご苦労さま」という意味も兼ね遅まきながら新年会を催した。

私の実家の家族と妹の彼氏、そして我々夫婦の計6人で焼肉屋へ行った。
妹と彼氏は現地集合ということで先に到着し席をとっていた。

我々4人はその少し後に店に到着したのだが、到着するまでの車での移動の間、激しい時間を過ごしていたのだった。

家を出発する間際、
父は車に乗り込む際頭を強打し
あまりの痛みを、全部母に八つ当たりすることで解消しようとしていたがそんなことで医学的に痛みがひくわけもなく。

それにしてもその八つ当たりのセリフはあまりにもむちゃくちゃで

「お母さんがモタモタしてるからイライラして頭をぶつけたんだ!!」

とか、色々言っていた。
いつもは絶対に口では父に負けない母なのだが、今日は我々夫婦が車という密室でこの空気をどう呼吸したらよいのか困っていることを察し、「はいはい。分かりました。」とうまく流していたのだった。

なぜか

「明日からプー助のこともビシビシたたいてやるからな!ダメだあいつ、甘ったれて!!オレもほんとに疲れるよっ!!」

と老犬パグのプー助にまで飛び火する始末。
ビシビシたたくとは口だけで、誰よりもプー助を愛しているのは父だと車内の全員は分かっているのであった。
うんこもおしっこも垂れ流しの状態の老犬プー助を誠心誠意をつくし介護しているのは父なのだ。

焼肉屋に到着すると、すでにカルビやタンなどが適度に注文されておりすぐに宴会がスタートした。

妹の彼はあまりお酒は強くない人なのだが、ものすごく頼んだ肉の量に圧倒され飲食量が狂ったのだろう、普段よりもたくさん飲めたような気がする。(しかし顔は真っ赤だった。このままアラマチマンになってもいけるくらい。アラマチマンとはローカルヒーローなので宮城県以外の人は分からないであろうミステリアスなキャラクター。)

テーブルから溢れるぐらい肉を何皿も頼んだ。誰がこんなに食えるのか?と不安になったが、それは不安だけで終わる。全部きれいに平らげ、

「何かが足りないような気がする…」

という意見が多発したため何度も何度も追加オーダーしたのだった。
おかげで網はこれ以上にないくらい酷使され真っ黒く変色し、ほとんど網目模様の炭と化していたのだった。

後半には、網が猛火に包まれる事態を招き
それでも焼肉欲がおさまらない我々は店スタッフに網の交換を要求し、女子3人は更にソフトクリームをオーダーするなどして、なんとか焼肉欲を鎮火させたのだった。

追記
やはりいわれのない八つ当たりにハラがたっていたのだろう。後から母が
「今日頭ぶつけるの2回目だよ。毎日毎日いろんなとこに頭ぶつけてるんだよ、お父さんったら。それもおんなじ所で。バカじゃないの。」と私に告げたのだった。


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