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今朝びっくりしながら旦那が朝食の準備をする私に新聞を見せた。
「ふつちゃん、コレ!ここ読んでみな!」
旦那が指をさしていたのは一般の人の投稿文のコーナーだった。 その投稿文は、一緒に暮らしている老犬に宛てた手紙だった。
<プー助、老衰で耳は聞こえないだろうけれど、心の耳で聞いておくれ。>
そんな書き出しの手紙だった。 私の実家のパグ犬も、同じくプー助という名前だ。 うちのプー助も、もうすっかりおじいちゃんだ。 旦那と昨日、プー助がすっかり年老いてしまいどうも最近様子がおかしいという話しをしていたので、この投稿文には本当に驚いた。 新聞に登場するプー助も、一晩中吠えつづけたり、失禁したりと老化現象が現れているとのこと。でもその手紙を読むと、初めてプー助が家にやってきた日から今日までの十数年、ずっとプー助は愛されてきたことが伝わってくる。
私の実家のプー助も、これまで大きな病気もせずすくすくと成長した。 でもさすがに歳には勝てず、最近徘徊したり夜泣きをしたりする。 耳も聞こえないようだし、餌も探せないほど目も見えないようだ。
ここ数日前からプー助の右目の表面に小さな白い膜がはっていたというのだが、それが昨日から大きくなって、今日はすっかり目の表面全体を覆うほどになってしまったと実家から電話が入った。 今日は父と私でプー助を車に乗せ病院へ連れて行った。 プー助は車の中が怖いのか、それとも病院へ向かっていると悟っているのか、ずっと移動中震えながら泣いていた。
プー助は片目を失うことになるそうだ。 手術で目玉を取ってしまうのだそうだ。
目の表面を覆っている膜は膿だった。 薬を飲ませつづけるよりも、目玉をとってしまった方がプー助のからだへの負担は少ないとのこと。
ショックだ…。 まさかそんなことになるなんて…。 ビー玉みたいに大きくて、天使のように純粋なプー助の目が。
来年すぐに手術をする。
片目を失っても、もともと見えていなかった目なのでプー助にとっては今までとはさほど変わりない環境での生活になると先生は言っていた。 それよりも、化膿している目を放置しておくほうが危険だという。
一体どの選択がプー助にとって一番いいのだろうか。
きっとプー助は、1秒でも長く家族のそばにいたいと願うだろう。住みなれた家から少しでも離れるのはイヤだと感じるのだろう。手術前の検査をして、そして手術をして…その家族と離れる数日間はプー助にとっては辛くて長い時間になるのだろう。
でも人間としては、できることはすべてやってあげたい。そして1日でも1分でも、1秒でもプー助には長生きして欲しいと願う。 でもそれは、人間の自分勝手な願いなのだろか。
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