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2002年12月04日(水) みなさん、お元気で!

道なき道の会場も今日でお別れ。
この会場に通勤して、おかげさまで運転テクニックもあがったよ。

ここでの講習会は今日で最後なのだが、今日は天気が悪かったせいかパソコン教室はとってもヒマだった。
朝一人おばあちゃんがやってきて、その後はシーンとしていた。
入居者のみなさんは今日は各部屋で休んでいるとのこと。

寂しいなァと思っていたら、この施設の副館長さんがやってきた。

パソコンについて色々と相談を受けた。
なかなかパソコンの知識にたけた方で、しばらく2人でパソコン談義に花を咲かせた。

事務所で電話が鳴ったため副館長さんが席を立った。

しばらくすると今度は館長さんがやってきた。

お年よりのパソコンへの反応や、実際現場に立って私がどう思ったかということを館長さんに聞かれた。
今のパソコンの形状では殆どのお年よりには操作が厳しく、一人で操作するのはとても難しい、ただ、この機械を使えばいろいろなことが楽しめるという風にとらえていただければいいと考えています…そんなようなことを話した。

館長さんは毎日お年よりと向き合っている方だけあって、お年寄りとパソコンについて日ごろ考えていることを適確に私に話してくださった。

外出することが困難な方のために、例えば床屋の出張サービスをインターネットで展開しても、インターネットを使いこなせる程の気力のあるお年よりは、逆に這ってでも外に出て行くということだった。
昔からのなじみの床屋に行くだろうということだ。

お年よりは生活を変えるということに対し、私達が考える以上にとても抵抗を感じるのだそうだ。
だからその実態を知らない人達によってIT、ITと踊らされてはいけない…そんなことをお話してくださった。

IT関連の仕事をしながらも私はとても共感してしまった。

それと、館長さんは「老いる」ということをとてもわかりやすく丁寧に教えてくださった。
在宅介護が大変だということは、私にもなんとなく分かっていたのだがどんな風に大変なのか、どうして大変になるのか、どんな経緯で大変になっていくのか、どうすれば介護する人にとっても介護される人にとってもいい方向に行くのか、色んなお話が聞けた。
毎日現場を見ている方だけあり、そのお話は理想論ではなかった。
とってもリアルで身につまされるお話だった。
プライバシーの問題はもちろんあり、入居者の方を例に取った話しはなかったが、でもとっても身につまされた。

そして老いていくと、必ずその人の生きざまがあらわれるのだということ。
どんな人生を送ってきたのか、老いた時の人格にあらわれる…そんなお話も聞いた。

んー…、そうかぁ。
確かに今の仕事を引き受けて色々と施設を見てきたが、この短い期間でも確かにそうかもしれないと思う場面があった。

数日前、私は仕事で大きなヘマをしてしまった。
それはとんでもないヘマだ。
今まできちんとやってきたつもりだっただけに、自分でもとってもとっても悔しかった。
何してるんだよぉぉ〜!!っと自分にハラがたったし結構めずらしく落ち込んでいた。

しかし!
館長さんのお話を聞いて私は考えなおした。
済んでしまったことはもうしかたがない。
クヨクヨしたって始まらない。
今の、この若い時間のうちに、もっともっと自分を磨かなければ。
いつまでもふさぎ込んでいる時間がもったいないぞ。もう十分反省したしね。

失敗は失敗。
もう同じことを繰り返さないよう今後気をつければいいのさ。
そして失敗したことに対し素直にごめんなさいが言えるそんな人にならねば。落ち込むことよりも、そっちの方に意識を向けなければ。

私が老いたとき、ステキな人生だったと思いたいしまわりの人にも思って欲しい。
ふつおばあちゃん、とってもいい顔してるねぇって言われたいもんなぁ。
愛をいっぱい受けているおばあちゃんの顔って確かにある。

おお!
いいぞいいぞ!だんだん元気になってきた!
やっぱり私って楽天家なのか?(サイトはジオシティーズに置いてるけどね。)

こんな感じで今日は講習会は不人気の一日だったが、館長さんのお話で生きかえったよ。すごいなぁ、館長さん。(間違って最初の文章で“浣腸さん”と入力しそうになったがね)

午後、昨日仙台市民の歌を聴かせてくださったおじいさんとしばらくポールモーリアの話しをしていたがそろそろパソコンを撤去する時間になった。
撤去のおじさんもやってきた。(今日は一人で撤去しなくてよかった。らっきい)

撤去作業の最中、ずっと通ってくださったおばあさん二人がやってきた。
そのうちの一人は詩吟の方だ。

一人のおばあさんは、今回の講習会でとってもパソコンが好きになったと言ってくださった。
そして孫と自分のパソコンを購入しメールの交換をしたいとのこと。
パソコンを購入するときは相談にのってほしいということで、私はその旨を撤去おじさんに相談したところ撤去おじさんは名刺を出した。
そうしたらおばあさんが、「あなたの名刺もください。」と言った。
私はお見送りに来てくださった二人のおばあさんに名刺を渡した。
詩吟のおばあさんはじぃぃっと名刺を見て

「あなた、ふつさんっておっしゃるのね。今度お手紙出すわ。」

と言っていた。

会場を出るとき、食堂のすみから大きな声がした。

「ふつさぁぁ〜ん!!お元気でぇぇ〜!!」

さっき名刺を渡したおばあさんの声だった。
振りかえるとおばあさんは大きく手を振っていた。
その横で詩吟のおばあさんはペコッと会釈をしていた。

ああ、なんだかとってもうれしいよぉぉぉ。
失敗したあの仕事のことなんか頭からなくなっちゃうよ。

(あ、でもやっぱり帰り道、思い出して再び自己嫌悪に陥ってたけどね。道なき道をどんよりとね。)

あ、そうそう!
ここの男性職員の方と雑談していたとき、思いがけずNさんの名前が出た。

彼は以前ある場所でNさんの講習会を受講したとのこと。

「駄じゃれとかすべってませんでしたか?」

と尋ねると

「いいや、それがまたよかったよ。とっても楽しい講習会だったぜ。分かりやすかったし。」

とのことだった。

すごいぞ、Nさん!


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