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今日でこの施設でのお仕事は終わり。
ここでお仕事をしていて3日間気になっていたことがあった。 入居者の中で比較的若い年齢の車椅子の女性がいた。
その方の後姿が私の実家の母にそっくりだったのだ。
以前私の母は入院生活を送ったことがあったのだが、入院生活の最初の1ヶ月は車椅子を利用していた。
髪型といい、肩のラインといい、その当時の母にそっくりなのだ。 顔は似ていないが後姿がそっくりなのだ。 だからその女性を見るたびに、あの当時を思い出したりした。
あの頃は母が入院したため、家のことは父と妹と私でやっていた。 母がいないことがどんなに大変なことか、身にしみてダメダメ3人衆は感じた。 当時付き合っていた今の旦那とのおデートも回数が減った。 (ま、回数は減っても愛は育つのさ。郷ひろみもそう歌っていたではないか。)
今日、この施設では地元のボランティアの方々がやってきて大正琴を披露していたのだが、私も後ろの方でちゃっかりその音色を楽しんでいた。 前の方では、その車椅子の女性がリズムに合わせて体を左右に動かしていた。 演奏が数曲続き、途中気分転換に体操をしましょうと、大正琴のリズムに合わせ手を上げ下げしたり肩を回したりするのだが、その女性も体操をしていた。
楽しいひとときも終わり、私の勤務時間も終わりに近づいた。
その女性は3日間のうち、何度もパソコンの前にやってきた。 文字入力をやったり、カラオケサイトを楽しんだり、いつもニコニコして優しい女性だった。(そこは母と違うかも…。^^; )
再び私はデスクトップパソコンを木の葉のごとく軽々と持ち上げ、撤去作業をしていた。 すべて片付き、職員の方々へ挨拶をして帰る時、もう一度会場を振りかえってみた。 あの女性は会場のすみの暗いところで一人テレビを観ていた。 なんとなく母親を置き去りにしてしまったような気分で悲しくなってしまった。
帰り道の途中、実家に寄ってみようかなぁ…
その時はそう思った。
で、でも…
生協で鶏のもも肉を買っているうちにすっかり現実モードに戻ってしまい、ちかれたびー…とさっさと家に帰ってしまったのだ。
どーびん。
※どーびんとは… 私も最近知ったのだが、仙台では昔話しの最後にこれをつけるとのこと。 ちなみに岩手では「どっとはれ」とつけるらしい。 どーびん、これマイブーム。ドーピングの親戚ではない。
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