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私の実家のパグ犬。 どうしてあんなに可愛いのだろう。
パグ犬を4匹飼っているのだがみなブサイクだ。
ユーミンが以前ラジオでしゃべっていたが 「ブサイク系の犬って一度飼うとやみつきになるんですって。たとえばブルドック、パグ…」
そう。その通り。 ブサイクなあの顔、もうやみつきだ。 ドリアンという果物がやみつきになるように。
昔は散歩をしていると 「ブルドックですか?」 と聞かれたものだが、最近はパグも有名になり間違えられることはなくなった。
しかし世間知らずの幼児達は今も庭のフェンス越しに 「ブルドック!ブルドック!」 とパグ達に声をかける。 するとパグ達も負けてはいない。 「ガウガウ!ガウ!(違う!それは間違いだ!君達3頭身に間違われるなんてこちらも心外だ!)」 と4匹で応戦。
4匹のうち1匹だけ黒パグがいるのだがこの黒パグはご近所の幼児達の人気者。
お隣さんの2階のベランダから幼児達は、庭でたたずんでいる黒パグに声をかける。 「クロちゃ〜ん!クロちゃ〜ん!」 するとクロ助(黒パグなのでクロ助)は 「ガウガウ!ガウガウ!(気安くちゃん付けで呼ぶな!君達はまだ小学校にもあがっていない園児じゃないか!僕の方が年上なんだぞ!そんな態度では社会に出てから苦労するのは君達なんだ!)」 と幼児達のいる方角とは違う、的外れな所にむかって怒鳴っている。
クロ助を見つけたペットショップは、個人でやっているお店で今をときめくダックスを豊富に揃えている他、フレンチブルや黒パグなど、大手のペットショップではたまにしか見られない犬達もたくさん揃えている。
クロ助を引き渡すとき、ペットショップのおじさんはよほどクロ助がかわいかったらしく、抱っこしたままなかなか離そうとしなかった。 黒くて小さいクロ助を自分の腕の中でぎゅっと抱きしめながら頭や前足をナデナデしていた。こちらとしてはお金を払いあとは帰るだけとという状態なのだが・・・。
おじさんはホントにクロ助がかわいかったらしく、一度目にお店でクロ助を見たときは店頭においていたのに、次に行ったときは店頭からしまっていた。
「あのぉー、ここにいた黒パグはもういないんですか?」 と聞くと、おじさんはしばらく沈黙し 「裏にいますよ…」 と言った。
クロ助を連れて行くときのおじさんの気持ちを考えると、 「ああ、ペット屋さんって辛いお仕事だのぉ〜」 と思う。私は絶対ペット屋さんにはなれないな。
おじさんはホントにクロ助がかわいかったらしく、別れ際に 「この子に名前をつけるなら、ブラックジャックからとって<ジャック>なんてつけるといいかもしれませんよ…あは、あは」 とアドバイスしてくれた。今思えばおじさんが「ジャック!」と口にした瞬間私の腕に抱かれたクロ助は「ぴくっ!!」っと反応したような気がする。 きっとおじさんは日ごろクロ助を「ジャック」と呼んでいたのではなかろうか。
おじさんのそんな切ないアドバイスもむなしく、我が家にきた小さな黒パグに付けられた名前は・・・
「黒いからクロ助だべなぁ〜、やっぱすなぁ」(東北弁)
とボキャブラリーの少ない父に簡単に決められてしまったとさ。 めでたしめでたし。
ちなみに他の3匹の名前は
プー助(♂) 龍之助(♂) リリー(♀)
♂は全員「助」を付けるという伝統が守られているようだ。 リリーだけは欧米風。
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