親がいらっしゃる。 昨日の昼、突然の電話でモノクロの世界に落とされた自分と、ワクワク気味の母親の声が 受話器のむこうからキャンキャンと響いていた。 そ、そういうのは早めに言ってくださいYO!頼むから(汗)! いや、ホントに。 現在兄貴はツーリングに行っていて、家にいるのは自分一人だ。 昨日掃除しといてと言ったにもかかわらず、「自分はいないから」という理由で無視をぶっこいた兄貴。 だから汚れきったこの家を一人で掃除しなければならない。
・・・・ひとりで・・・。
あらためて見る部屋の数々。おもっくそヤル気、なくなる・・・。
グダグダ言っていてもはじまらない。 強引に気持ちを高ぶらせるため、メタルをガンガンかけまくる。 そのままリビングを掃除し始めると、意外にもとっとと事が弾むのだ。 なぜなら、兄貴のものをすべてゴミ袋に放りこんでヤツの部屋にそれを投げ込むだけだからだ。 そんなのヒドイ、人道に外れていると思われるかもしれないが、ゴミ袋ったって使用前だから全然清潔。 さらに言ってしまえばゴミ同然のヤツのものなどわざわざ何度も階段を往復してもっていってやるまでもない。 容赦なくゴミ袋につっこんでいくと、ヤツの袋には ヘルメットからインスタントラーメンからなにやらがてんこもりになった。 自業自得だ。やらないお前がわるい!! そうしてメタルをかけながら掃除機をかけ、 ダイニングキッチンの生ゴミも必死で掃除して、糒(ほしいい)のようになったカリカリのご飯を掃除機で吸って (まだまだ最悪の状況を生々しく描写していきますよ!!) キッチンのゴミ袋をまとめると、そのしたから何やら滴っていて それが腐ったリンゴだと気付くのに時間はいらなかった。 ダイニングキッチンはまだゴチャゴチャした感じだが、ダイニング自体洗濯物干し以外で利用していないため 簡単に掃除できた。 しかし・・・まだ部屋がある。廊下もある。 自分の部屋、そして自分の部屋②、さらにトイレ①と②も掃除しなければならない。 ふざけんな。トイレ2つもいらね―――よ(泣)!!! なんでだよ―――!!なんなんだよ―――!!!
なんか悪い事したのかよ――(号泣)!!
そう思いながら自分の部屋(大きいほう)を簡単に掃除。 その部屋は寝るだけの部屋のため、あまり汚れていなかったからすんなりと終了。 そしてトイレ2つもチャッチャと掃除。 掃除機をかけたところで、問題発生。 掃除機の中のゴミパックがいっぱいになってしまったのだ。 触った様子はパンパン。 おそらく掃除機も、虎の期待に答えようと必死で吸っていたに違いない。 もう無理!という体にムチ打って、最後の最後まで吸おうとしていたのだろう、 おかげでそれに気付くまでの吸引力は無いに等しかった(笑)。 しかしウチには替えの掃除機パックはない。 ため息をつきながら、中のゴミをほじくりだして再生。 自分、本当にハタチなんかなぁ、という疑問すら沸く。 休日には庭の草ひきをするハタチ。 トイレ掃除のハタチ。 生ゴミ処理のハタチ。 日曜大工をするハタチ。 そして掃除機パックをほじくりだすハタチ。 オバチャンやん。 むっちゃオバチャンやん。ていうか、オカンやん。 あー、いかにも子供いそうに見えるだろうなぁと自分で思う。
吸引したものをガンガン出していると、以前バイト先で発見されたカエルの「おヒョイ」さんが出てきた。 (名前は結局おヒョイさんに決定していました。報告遅れてごめんなさい。) お、オヒョイ!なんでそんなところに入ってんの!! そうしてオヒョイを拾い上げると・・・・
ギャ―――――――(笑)!!!
オヒョイの体が分裂してる――(爆笑)!! ゴミパックに吸引された衝撃だろうか、オヒョイは上半身だけで自分を見つめていた。 ちょっとだけ下半身も探したが発見できなかったため、オヒョイをごみと一緒に葬ることに。 オヒョイ。楽しい時間をありがとう。 容赦無くオヒョイの上にかぶっていく埃の塊。 見えなくなって行くオヒョイの姿。 その瞳が涙に濡れているのを自分は見た。←妄想ですか 結局ゴミパックは再生し、元気よくうなりをあげて動き始めた。 今日やったのは掃除しかないな。 一日かけても終わらないって、ナニソレ・・(汗)。
もうやだ――!!しんどい!
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