詩-生人-

2009年09月26日(土) 砂の言葉

幾つになっても
幾つ連なってみても

誰にも届かない言葉

この詩の様な稚拙な表現が延々と繰り返される日常
そんな日常から逃げ出したくて乗り継ぐ電車

都会はすぐに別世界へ運んでくれるが
この部屋の片隅で今日も僕は日常を繰り返す

僕が言葉を口にするとき
砂の粒が口元から零れて
自分でも何を喋っているのかがわからない

僕が言葉を口にするとき
砂の粒が舌の上を這い廻り
自分自身の嫌悪感に苛まれる

幾つになっても
幾つ連ねてみても

誰にも届かない言葉
誰にも届かない思い

砂の様に零れて消えた。



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沢野生人

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