詩-生人-

2009年09月19日(土) 憧れた君

憧れた君の捨てた空き缶を集めるのが私の趣味でした。

憧れた君は 誰にでも好かれる人でした。
憧れた君の隣には いつも笑顔を称えた女性が居て

私の心には不束な闇が黙々と棲んでいました。

憧れた君は とてもコーラが大好きで
気づけばいつも飲んでいる姿を見ていました

憧れた君の 飲み干したコーラの空き缶を捨てる仕草を
私はその内に好きになりました。

部屋の隅に 積み重なっていく赤い缶
部屋の隅に 積み重なる私の気持ち

憧れた君は そんな私をどう思いますか?
やはり 変態だと思いますか?

憧れた君に もしも蔑まされたら
私の心は 積み重なった缶たち同様に

呆気なく崩れていくでしょう...

憧れた君に 私は今日も120円を渡します。


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沢野生人

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