奇跡を信じて〜あれから〜
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 告知

午前Hは気管支内視鏡の検査
検査後、病室に戻るが麻酔の為、話す事はできない
後ろ髪を引かれる思いがしながらも
私は仕事に出掛け夜、病院へ戻る
Hの母と3人で医師から説明を受ける事になっていたが
私は看護婦さんに呼ばれ
先ずはH抜きでカンファレンスルームに行く様に指示された
私は廊下の時計を見た
17:53
病室に戻るのがあまり遅くなるとHは心配するだろう
カンファレンスルームにて
O医師とT医師から以下の説明を受ける
病名は「肺腺癌」
肺の左側、左の肺動脈、左のリンパ節に腫瘍が見られる
左肺2,5cm×1,5cmの腫瘤
左肺門に左上幹上区枝を閉塞する形で6cm大の腫瘤
肝臓 全肝に大多数の腫瘤があり多発肝転移
脾臓 6cmの腫瘤があり転移
左副腎 8mm大の結節 転移
右副腎 4cmLDA
腸管、胃体部 リンパ節転移
左腸骨 2,5cm大の腫瘤
右胸壁下部、膵部の右横、左陽骨部の皮下に結節を認められ
転移の可能性がある
左頚部、右鎖骨下、左腋、全身悪性リンパ腫の可能性
左第1,3肋骨、右第10肋骨はじめ右臼がい
左大腿骨転子部、骨幹部転移

溢れ出る涙を抑えながら
「本人には肺腺癌である事への告知」を
医師から告げて頂ける様にお願いした
本人は薄々気付いている
そしてこれからの治療の為に・・・
足、背中、腰などの痛みから恐らく転移している事に
本人も気付く事から
骨への転移のみ知らせて頂ける様にお願いした
他の部分に関しては自覚症状がない以上は知らせる必要がないと
私は判断した
本人へ告知した後は痛みのコントロールに
モルヒネシロップを開始する
来週からは抗がん剤の投与と放射線治療に入るとの事

医師から説明を受けたHは
「小細胞癌」だと思い込んでいたらしく
腺癌であると聞きホッとした様子だった

2002年01月08日(火)
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