「暗幕」日記
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2004年05月14日(金) |
映画「スキャンダル」感想 |
映画「スキャンダル」を試写会で見てきました。 (内容はここ http://www.k-plaza.com/movie/en_mov_sa07.html がわかりやすいかも。) …タイトル何とかならなかったのでしょうか、ネット検索すると、普通名詞やら同名別作品やらがゴロゴロでてきて面倒で仕方ありません。これは、今月22日封切りの、フランスの小説を韓国近世に翻案したアレです。(「冬のソナタ」で日本でも有名になったペ・ヨンジュンの映画初主演作と言った方が通りがいいかもしれません。)
面白かったです。家具や衣装、化粧道具や食器などにもお金をかけているそうですが、本当にきれいです。時代劇なので、当然電線や舗装道路が入らないロケ地を選んで撮影しているのですが、韓国にもこんなに景色の美しいところがたくさんあるのだなあと思いました。 うれしいことに吹き替えではなく字幕版だったのもよかった。たとえば、長官の第二夫人として連れてこられた庶民の少女の役者さんですが、表情がころころ変わるのに合わせて声の調子も、おそるおそる様子を窺っている暗い音色から一転して、長官夫人に感謝を告げる明るい調子に変わっています。日本の若い役者さんにはあまり、声調のめりはりがないので、絶対に字幕がいいです。(余談ですが、5/1深夜にNHKで放映したペ・ヨンジュン来日特集でも、インタビューに照れていた数分後には、回答をきちんとまとめて落ち着いた低めの声でとうとうと話し出すのが印象的でした。ごめんなさい、ドラマの吹き替えのあの人あまり私好きじゃないんです。)
肝心のストーリーですが、どうも、キャスティングで流れを割ってしまったのではないかという疑いが拭えません。ペ・ヨンジュン扮する、長官夫人のいとこでいい家に生まれたのに無位を通している遊び人が、あまりだらしなく見えなかったのです。道楽で描いている絵(春画です)は、後に商品にできるほど質の高い絵だし。女性を落とすのは好きで、経験も自信もあるようだけど、いとことの賭けのあとは、これも真面目に課題をこなす過程を演じているようにしか見えない。 あちらの俳優さんを知らないので適当な方がいるかわかりませんが、もう少し年のいった、ふてぶてしい様子をもっと色濃く漂わせる方であったら、最後ももっと悲劇的になったのではないでしょうか。申し訳ないがあれでは、彼が放蕩にも、純愛にも腰を据えられず中途半端だった結果招いた「自業自得」に見えてしまったのです。
女優さんはどちらも言うことなかったです。しかし、まじめに捉えれば、婚約者がなくなって以来慣習に従って静かに暮していたのに、つまらない賭けの対象になって醜聞を免れなかったヒロインは災難としか言いようがないです。最後にああいうことになるのなら、最初の方で筋を通して正式に再婚(?)を申し込めばよかったのにと思ってしまいます。(ヒロインの伯母が、「あの人に興味はない?」と尋ねているシーンがあるので、そういう道も不可能ではなかったはず。)長官夫人は、見ていて真意が最後までわからなかったので、上でペ・ヨンジュンで苦言を申した部分もクリアしていて満足でした。
あとは箇条書きで。 ・ハングルが読めなくて残念。最初の、たぶん役名だと思うけど画面にでてくるこまかいハングルが字幕化されてなくて苦笑するしかなかったです。最初の方の、バラバラになっているパーツが組み合わされてハングルの単語になる演出も、読めればもっと楽しめたと思います。 ・手紙に書く字が、ヒロインの楷書と、側室候補の少女の丸文字が対比されてて面白かった。 ・数か月前にもらった花束が、色を残して包まれていたなんてことがあるのだろうか? ・最後に、映画公式ページも載せておきます。どちらもフラッシュ要。 (韓国版) http://www.thescandal.co.kr/ (日本版、ヌードあり注意) http://www.scandal-movie.com/
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