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「暗幕」日記

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2003年05月01日(木) コミック:佐久間智代『Lovely Style』感想

コミック:佐久間智代『Lovely Style』 bk1


【あらすじ】男子高に通う高久静の家にはお父さんと「遥さん」がいる。静の兄にしか見えない年齢不詳のかっこいい遥さんを静は大好き。けれどこの「好き」は恋愛かもしれなくて、静は自分の母親だということになっている「遥さん」の正体探しに乗り出した。
遥さんの学生時代を知る英語教師の三上、小学生時代を知る松浦に続いて、とうとう遥さんの真の性別を知る人物が現れた…。
【感想】
性別不詳といえば静もそうで、十五歳になっても男と信じてもらえないこともしょっちゅうである。親が「好き」なのと恋愛感情がごっちゃになってしまうのは自分自身のジェンダーイメージがはっきりしていないことと関係があるかもしれない。
性という、自分の努力ではどうにもならないことが理由で行動を制限されたり機会を閉ざされたりした経験がある人は、自分がどちらの性であろうが関係なく自分として見てもらえる世界であってほしいと願う。年齢不相応に若く見えて、女性なのにかっこいい男性にしか見えない遥さんと、男の子なのに女の子みたいに可愛らしく、男子生徒にも女子生徒にも大事にされている静は理想の体質に見える。ただし周囲は振り回されるし混乱させられると感じるだろう。松浦のように、「妖怪でも男でも女でも妊娠しても静君が静君なら僕はいいんだけどな」と言ってくれる恋人候補が現れれば良いのだが。


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