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「暗幕」日記

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2003年01月16日(木) 「長すぎる」?

20行程度の文章さえ「長すぎる」と目を通さずにいられる大人がいるとは驚いた。webに文章を置いている書き手としては、読みやすくするためにフォントを固定せず行間も左右マージンも適度に取ったうえで、こういう人に対してはなすすべがない。

どんな内容でも短く書けるかといえばそんなことはない。複雑な内容を伝えるにはそれなりの分量が必要だ。目的地まで直線距離という場合ばかりではない。曲がり角の数だけ、目印の特徴とインターバルの説明が必要になる。言いたいことを書くためにどうしても書き手が削れない限界というものがある。

簡潔すぎても読み手に理解されないということも起こりうる。同じことを別の言葉でくりかえしてあったおかげで、甲の箇所では判然としなかった内容が乙の説明で腑に落ちたという場合もある。見落とされたくないこと、多くの人に確実に理解して欲しい内容はあえて冗長に書かれている場合もある。

「わからない」と当方に訴えかけながら「自分にわかるように説明しろ」と注文をつけられても困る。返信から察するに、直前に送ったメールを読んでいないか、読んだとしても既に理解できていないのは明らかだ。「あなたにわかるように説明することは不可能だ」と心の中でそっと思う。

本を読む習慣のない人、何か書くときに手元に辞書がなくても平気な人というのが存在するということは知っていたが、その人たちに文字がどのような心象に映っているか、私には想像できない。

自分にとってそれが読む価値のある文章かどうか、読み通さずに判断できるようになるまでにはやはり、経験がものを言うのだろう。若いうちは目に入ったものはどんどん読んで文章を解読する力をつける時期だと思う。最後まで読んではじめて「つまらなかった」「既に知っていることばかりで、読む価値は無かった」と感じるくらいでちょうど良い。大人になると時間が足りなくなるので、暇つぶしに読むための文字を探す余裕はなくなる。学校を卒業した大人でなお、この程度の文章を読み通せないようではその人が困るであろう、周囲の人は言うまでもなく。

読んで合わないと思ったら黙って立ち去って欲しい。私にメールを出しても、得るところはないと思います、お互いに。



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