女の世紀を旅する
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2002年05月01日(水) |
世界の名医たちが認めた「ガン予防14カ条」 |
世界のがん名医たちが認めた「がん予防14カ条」 2002年5月1日 NHKテレビ「ためしてガッテン」から
世界がん研究基金・米国がん研究財団が編纂した「がん予防14カ条」 (世界の5000件近いがん予防リストを14カ条にまとめたもの)
★第1条 植物性食品を中心とした食事(第4条・第5条ともかさなる) 【これが一番の予防法である】
★第2条 肥満を避ける 【特に肥満した女性は乳がんと子宮体がんの罹患率が2倍以上】
★第3条 運動の維持 【1日1時間前後のウォーキングなど】
★第4条 野菜・果物を1日400g〜600gとる
★第5条 穀類・芋・豆を1日600g〜800gとる
★第6条 お酒は適量 【タバコとお酒を同時にやると胃ガンの原因となる】
★第7条 赤身の肉は1日80g以下とする
★第8条 脂肪は控える
★第9条 塩分は1日6g以下とする
【塩分ととり過ぎると胃の粘膜細胞が 壊れ,発がん物質の攻撃を受けやす くなり,魚や動物の肉の焦げにあるヘテロサイクリックアリンという発がん物質と結びつき胃ガンの原因となる.日本人は平均13gの塩を1日摂取しており,世界標準からみて塩分をとりすぎる傾向にあるので要注意とのこと.塩焼きにさらに醤油をかけて,しょっぱい漬物を食べることなどは避ける】
★第10条 かび毒素に注意 ナッツのかびには発がん物質のものあり.チーズのかびは無害
★第11条 食品は腐らないよう冷蔵庫に保存
★第12条 食品添加物や残留農薬に注意
★第13条 黒焦げのものは食べない
★第14条 栄養補助食品に頼らない
★番外編 タバコは吸わない(がん成分が多数含まれている.肺ガン. 食道かん.胃ガンのリスクとなる)
〔がん患者の5年後生存率。1980〜85年は52%が、1992〜97年には62%に上がっている。(「国立がんセンター初回入院患者・全がん、男女別」のデータ)〕
● 基礎講座
英語のcancerの語源は? → かに
漢字「癌」やまいだれの中の部分は何を表す? → 岩
がんになりにくい臓器は心臓ともう一つは? → 小腸
● がんの症状
出血 臓器の機能低下 激しい痛み 転移
→これを引き起こすのは、がんが大きくなり圧迫するため。 でも、がん(腫瘍)は何から出来ているかというと→「がん細胞」の集まり
● がん細胞の特徴とは (がん細胞と正常細胞の違い)
移動する速さを比較すると→がん細胞の方が早く移動する。
がん細胞を特殊な方法で見てみると......突起が沢山ある。 この突起を使って、細胞と細胞の間の狭い隙間に入り込んでいく。
がん細胞は...... 素早い もぐり込む なかなか死なない 激しく増殖する→猛烈なスピードで増殖。正常細胞を圧倒していく。 体の中でどのように大きくなるのか? がん細胞を米粒に例えてみると、がん細胞は体内では100日で1回細胞分裂する(進行の早いがんの場合)。1個が→2個に→4個に→8個に・・・と増えていく。
では9年後30回分裂した後、一体何個なのか?→10億個 →この時の大きさが・・1cm角のサイコロ大 →さらに3年後10回分裂後は10cmに。
だから・・早期発見がなにより必要!
そもそも・・人間の身体を構成する細胞(60兆から100兆)の中のたった一つががん細胞に変わるのが全ての始まり。
● 最初の1個のがん細胞はどうやって生まれるのか?
細胞の中にある遺伝子(細胞の設計図)。
通常は......遺伝子をコピーして2つ作り,分裂。細胞が二つになる。 発がん物質や紫外線、放射線にさらされると......遺伝子が傷つく。 傷ついた遺伝子は直される。ところが、失敗するときがある。 さらに、書き写すときに、さらに書き間違えることがある。 →こうして設計図である遺伝子が変わり、がん細胞の設計図になると、がん細胞が生まれてしまう。
遺伝子を傷つけ、がんを引き起こすものは 【たばこ、排気ガス、放射線、紫外線、ウイルス、偏った食生活】など。
実は,遺伝は少なく5%ほどである
●遺伝子が傷つくメカニズム
人間の遺伝子は、およそ3万〜3万5千個ほど。毎日、実は遺伝子は傷ついている→修復遺伝子が傷ついた遺伝子を直す→そのために、がんにはならない。ところが、修復遺伝子が壊れてしまうと、直せないので・・がん細胞になる可能性が高くなる。
遺伝子を傷つけるものは、タバコのように何種類も混ざっているもの。 さらには、放射線のように、一度に沢山を傷つけるものがある。
●最新のがん治療について
最近の治療:手術では、大きく取らなくても、がんの部分だけで済む手術も行われるようになってきている。また、放射線の治療の技術も上がり、抗がん剤と組み合わせる治療などで手術できない場合でも、治療が可能になってきている。
検査:早期発見でも、1mmのがんを見つけることも可能になってきた。早く見つけることは、治療も負担が少なく、何より大事。 ※まずは検診で早期発見に努めること。早く見つけないと、がんの進行が早い場合には1年で8倍になってしまう。会社、地域の検診を受ける。 ● 基礎講座
1問目:がん細胞の特徴は? ×正常細胞を食べる ×遺伝子がない ×細胞が巨大 ○なかなか死なない
2問目:分裂を繰り返し、30回分裂するといくつになるか? ○約10億。
3問目:1センチ角のがん細胞が10センチ角になるのに何年かかる? ○3年
※がん細胞は100日に一回分裂する。(早い場合。もっと遅い事もある)細胞一個が1センチ角になるのに9年、その後3年で1024倍(=1センチ角が1000倍で10センチ角)になる。
● タバコの発がん性
タバコには数十種類もの発がん物質が含まれているといわれている。代表的な発がん物質である主犯はベンツピレンとニトロサミン。また他にも、気道の繊毛をダメにするような共犯も含まれている。
タバコを一日、一箱以上吸うと、肺がんの危険度は7倍以上にもなる。
食道がんのデータ:アルコールは喫煙の共犯ですが、普通の食生活でも主犯になる物が数多くある。喫煙しなくても,食事をする限りアルコールががんの危険性を高める。
食道がんを予防するためには‥‥まず、主犯の喫煙の量を減らす、もしくはやめること。 そして共犯のアルコールも量を減らすか、やめること。 それ以外にも、熱いモノを食べると共犯になります。よく冷ましてから飲食してください。 ● 食塩と胃がんの関係
粘膜が塩でボロボロになるのは、塩のナトリウムイオンが粘膜に結合するためだと考えられている。
ここで問題となるのは食塩の摂りすぎである。食塩は必要不可欠な物だが,しかし摂りすぎは高血圧などの悪影響がある。その一つががんの共犯です。
塩の摂りすぎが長期間続いて胃の表面が荒れると、主犯の攻撃を受けやすくなる。さらに傷んだ粘膜細胞が活発に細胞分裂するため、遺伝子を書き間違えやすくなる。
●胃がんの主犯について
主犯として考えられる主なものはニトロサミンとヘテロサイクリックアミン、そしてタバコに含まれる成分など。
ニトロサミンは、肉に含まれる二級アミンと、唾液や、野菜に少量含まれる亜硝酸塩が胃の中で反応してできてしまう。普通に食事をする限り避けることはできない。
ヘテロサイクリックアミンは、肉や魚などタンパク質を焦がしたときにできる。
いずれも避けられないので、まず共犯の食塩の摂取量を減らすことが予防につながる。また、発想を転換して、主犯の力を弱める野菜を食べることが有効な方法である。野菜にはニトロサミンの原因、亜硝酸塩が含まれますが、ビタミンCやカロチン、食物繊維など、がんの危険性を抑える成分があり、食べれば食べるだけがんになりにくくなると考えられている。
統計によると,ハワイに移住するだけで胃がんになる割合が減ることが判明している。これは、食塩摂取量が減ったためだと考えられている。
しかし大腸がんになる割合は高まることになる。これは、食事が肉や脂肪の多い欧米食になったことが原因だと考えられている。
● 大腸がん
私たちの大腸内には善玉菌と悪玉菌という二種類の細菌がいます。善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌、一方悪玉菌はウエルシュ菌、大腸菌などです。このうち悪玉菌が大腸がんに関与すると考えられています。
腸内細菌がいる場合、大腸内が完全に無菌の場合に比べて、がんの前兆となる前がん病変の数が5倍にもなります。
●大腸がんの予防について
大腸がんの予防はまず、胃がんと同じく、野菜を多く食べること。特に食物繊維で便通がよくなることで、主犯の大腸内の滞在時間を短くする。 また、理由はよくわかっていないが、運動をすることです。運動すると大腸がんの予防になるという疫学的データが多く報告されている。
●基礎講座
Q:にんにくに含まれているがん予防成分とは? ×アリサン ×アリエン ○アホエン ×アラヘン
Q:塩分の摂り過ぎは胃がんの共犯となるが、主犯はズバリなに? ○正解は、肉や魚など動物性タンパク質の焦げ。
Q:大腸がんの場合、肉や脂肪があるものと一緒になるとなりやすい。あるものとは? ×アルコール ×コレステロール ○腸内細菌 ×塩分
● 抗酸化作用
活性酸素は紫外線や炎症によって発生する反応性の高い酸素。細胞の膜や遺伝子DNAが活性酸素によって酸化されてしまう。遺伝子DNAが酸化されると、それが傷となってがん化することも考えられている。
野菜に含まれるビタミンC、E、カロチノイド、ポリフェノール類は活性酸素の悪さを消去してくれると考えられている。
● 解毒作用
ある種の野菜には解毒作用のある成分が含まれている。これは発がん物質を直接解毒するのではなく細胞に刺激を与えます。すると細胞は解毒酵素を作り始めて、この酵素が発がん物質を解毒すると考えられている。
● 日本の野菜
海藻類、豆類、ゴマ、セリ、パセリ、ホウレンソウ、しそ、かぼちゃ、サツマイモなどが抗酸化作用が期待できる野菜。
ワサビ、大根、カイワレ、カブは解毒作用も期待できます。
●フィンランドの実験
かつて、野菜に含まれるβカロチンががんの予防に効果があると注目されていた。そこで実際に人に対して介入実験が行われた。
肺がんのリスクが高いとされる喫煙者29133人に対し、半分の14560人に毎日20mgのβカロチンが与えられた。その後の追跡調査で、βカロチン摂取群は18%も多く肺がんになった。このことより、単一の成分の摂りすぎは逆効果にもなることも考えられている。
● がん予防効果が期待できる植物性食品のピラミッド
上段(特に抗酸化作用が期待しえる) にんにく、キャベツ、しょうが、大豆、パースニップ、セロリ、にんじん
中段 タマネギ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、茶、ターメリック(うこん)、玄米、小麦、亜麻、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、トマト、ナス、ピーマン
下段 あさつき、ジャガイモ、メロン、ハーブ類(ローズマリー、タラゴン、オレガノ、セージ、タイム、ハッカ、バジルなど)、きゅうり、ベリー類(ブルーベリー、クランベリーなど)
●日本人になじみのある野菜
かいわれ、かぶ、海藻類(昆布、わかめ、ひじきなど)、大根、にら、豆類(あずき、黒豆、金時豆、うずら豆、大福インゲンなど)、ワサビ、さつまいも、かぼちゃ、ごま、セリ、しそ、パセリ、ホウレンソウ
※日本人になじみのある野菜は、最も下段に位置している。これは疫学データがまだ少ないためで,効果が低いということではない。
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