観能雑感
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2007年02月18日(日) |
第47回 式能 第一部 |
第47回 式能 第一部 国立能楽堂 AM10:00〜
体力を考えて一部のみを観ることに。前日一睡もできずに既に負け戦の感濃厚。とにかく行くだけは行こうとヨロヨロと出かける。入場直後にロビーで有無を言わさず口頭でアンケートに答える破目になってしまった。しかしプログラムに添えられているものと同じ内容をこうして無理やり訊かれるのはどうなのだろ。 中正面後列正面席寄りに着席。視界良好。見所は満席。
『翁』 喜多流 喜多 六平太 千歳 山本 凛太郎 三番三 山本 則俊
能 『高砂』 喜多流 シテ 高林 白牛口二 シテツレ 高林 呻二 ワキ 福王 和幸 ワキツレ 喜多 雅人、永留 浩史 間 山本 則重 笛 松田 弘之(森) 小鼓 幸 正昭、船戸 昭弘、後藤 嘉津幸(清) 大鼓 佃 良勝(高) 太鼓 小寺 佐七(観) 地頭 香川 靖嗣
時間稼ぎをせねばならない事情でもできたのか、お調べが二巡。2回目は笛のみ。千歳は今回披きの模様。小さな身体をいっぱいに使って袖を翻す様は風そのものになったようで、正に露払いの役に相応しい。烏帽子のズレを気にすることなく下居姿も凛々しく、千歳とはまさにこうあるべきであろう。 翁帰りまではただ無事に済めばよいと思っており、特に滞りなく終了。三番三は揉之段は重厚に、鈴之段は神農を想起させるくらい神々しい姿だった。 音取置鼓で脇能開始。聴く機会は少ないがやはりよいものである。シテとシテツレは個人的な印象としてもっさりしているなぁと、ぼーっとした頭で思った。後シテの神舞もその印象は変らず。 出てきた時から松田師の烏帽子がきちんと付いていない様子。途中ずり落ちてきて難儀している模様。後見が掛け直すもどうもよろしくない。結局「高砂」の中入の間小鼓の後見が掛け直しやっと落ち着いた。
狂言 『宝の槌』 大蔵流 シテ 山本 東次郎 アド 山本 則秀、遠藤 博義 朦朧としていてあまり記憶になし。
能 『経正』替之形 シテ 岡 久広 ワキ 福王 茂十郎 笛 一噌 幸弘(噌) 小鼓 観世 新九郎(観) 大鼓 大倉 三忠(大) 地頭 武田 志房
小品だが演ずるのはなかなかに困難な曲であろうと思われる。役者本人が透けて見えず、はかなく優美な少年になるのは難しい。今回も完全に成功したとは言い難い。カケリ、幸弘師の笛が突出せずしんみりとした風情を醸し出していた。
狂言 『口真似』 和泉流 シテ 野村 万之介 アド 月崎 晴夫、深田 博治
万之介師勤める太郎冠者が主の言う事を文字通り真似て事態を混乱に陥れるが、天然というより、本当は意図的にやっているのではないのかという気配がほの見え、これはこれで面白い。
この「高砂」と「経正」という組合せ、3年前に観た時と同じである。五番立なので短い曲は貴重なのだろうが、番組が重なるのには早すぎるような気がする。
こぎつね丸
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