読影してみよう - 2005年06月16日(木) 産業医の大切な仕事のひとつに被用者の健康診断があります。 朝から夕方まで、休憩を挟みつつ一人一人を診察し、帰ってくると今度はデータの整理と読影が待っているのです…。 ってな訳で、読影にチャレンジさせて頂くことになりました。 病棟や外来でよく見掛ける、普通(?)のフイルム(直接撮影といいます)とは違って、小さく、撮影方法の少し異なるフイルム(間接撮影)を機械でぐるぐると巻き取りながら。 機械でぐるぐる?何じゃそりゃ、と思ったあなたのために、写真を撮ってきましたよ。あぁ私ってば、なんて親切♪ ←コラ… ↑フイルムの両端がローラーに巻かれていますね。基本は左進行ですが、逆回しも可。 下に見える白い紙は所見用紙。1枚に約20人分の欄があり、陰影のスケッチなどを 描き込めるようになっています。 ←1枚1枚の写真はこういうふうに見える訳です。 これは拡大鏡を通していない画像ですね。 正常像です(多分…。私が診断する限りでは)。 こんなのが巻物みたいになってずらずらずら〜っと 並んでいるものを、順番に読んでいくのです。 1回でざっと200枚ほど?でも、上の先生方はもっと。 結構目が疲れます。っていうか酔ってしまう…(;´Д`) 検診ということで、大抵は綺麗な写真なのですが、時々ちょっとした所見 (胸膜の肥厚とか、少量の胸水とか、大動脈の蛇行とか…)が見られるので、 気持ちオーバーめに記録しながら進めていきます。 読んだ枚数が100枚を超えた頃、ある写真にハタと目が止まりました。 右中〜下肺野に直径2〜3cm前後と思われる、辺縁整の丸い陰影が! うわっ、嫌なものが見えちゃったかも…。 と思いつつ、とりあえずスケッチをして、次の写真に移ることにしました。 全部の写真を読み終えたところで、2読(※注)の先生が来てくださいました。 〔※他ではどうなのか知らないのですが、ここでは最初に読影をする「1読」の医師と、その所見を見ながら詳しい読影をする「2読」の医師(呼吸器科の専門医)とのダブルチェック体制をとっているのです。だからこそ私なんぞが読影をさせて貰えるのですが…〕 『レイナ先生、どう?何か気になる所見はあった?』 『はい、これがちょっと…(と例の写真を見せる)』 『ほう…どれどれ(と徐に同じ人の昨年のフイルムを取り出し、見比べる)』 『ど、どうでしょう(ごくり)』
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