ツイッターで流れてきたお題が素敵だったので、ついのべを書きました。 小説妖精ノベルちゃん(@fairy_novel)さんの、 #ノベルちゃん三題 です。 6月23日に書いたのがこれ。
******* ミントは水辺を好む。だからアルタイルは、天の川のほとりにペパーミントを植えた。牛を売って貯めたお金を銀河銀行から下ろして、とびきり上等のデネブ産ラム酒も買った。それからライムときび砂糖。一年に一度だけ、もうすぐ逢える愛しい君に、おいしいモヒートを飲ませてあげる。 *******
お題は、「ペパーミント、銀行、アルタイル」です。 この時期にアルタイルとくれば七夕ネタでしょう……ということで。
モヒートが出てきたのは、ペパーミントと聞いた時、ちょっと前にツイッターのフォロワーさんが『夫が自家製モヒートを作りたくてミントの種を蒔いた』という話をしていたのを思い出したから。 モヒートには普通はスペアミントを使うみたいですけど、きっと、牛飼いのアルタイル君は、ペパーミントのが好きなんです!
それと、28日のが、これ。
******* 初夏のある日、流星がシャワーのように降り注ぎ、人類は絶滅した。鱗を持たぬ儚く脆いいきものの、ちっぽけな頭骨を口に含んで、永く見守ってきた彼らの温もりの記憶を慈しむ。我々ももう、ここを去らねばならない。銀色の翼を広げて、青空の向こうの凍てつく闇へと飛び立ってゆく。 *******
お題は「初夏、絶滅、シャワー」です。
これ、後から考えたら、自分が小学生の頃に空想していたお話の、ラストシーンだったかも……。
『うちの学校の校庭にあるぶら下がりシーソーが、実は姿を変えたドラゴンである』っていう小学生の空想です。
それは、こんな感じのお話でした。
太古の昔から地中で眠っていたドラゴンが、火山の噴火で目覚めて、噴煙とともに火口から飛び立つシーンではじまる。 で、それからドラゴンは、長いこと生きて、世界のいろんなところに潜んで、ときどき人間に姿を見られて、ときに怪物として攻撃されたり、ときに竜神様と崇められたり。 で、あるとき、隠れていた森に偶然迷い込んできた人間の男の子と仲良くなるけど、男の子はすぐに来なくなる。 ドラゴンは、なかなか来ない友達を自分から探しに行くことにする。 もちろん男の子はとっくに年取って死んでるんだけど、ドラゴンはそんなこと分からず、子どもの姿のままのその子を探しに行く。 で、何百年も探し回ったある日、大勢の子どもたちが遊ぶ声に惹きつけられて、うちの学校の校庭に飛んでくる。 今までの経験から、ドラゴンの姿のままで人前に出るとろくなことがないと学んでいるから、遊具に姿を変えて。 探してたあの子は見つからなかったけど、子ども好きのドラゴンは、大勢の子どもが遊んでくれるのが嬉しくて、そのまま遊具として校庭に住み着いて、そうするうちに、いつの間にか眠りこんでしまう。 今ではすっかり古びて、少し錆が浮いている。 でも、いつか人類が滅びたあとに、チーターラーター(←ドラゴンの名前)は眠りから覚めて、ぶるっと身震いして錆を落として、銀色のドラゴンの姿を取り戻し、誰もいない校庭から宇宙へと飛び立ってゆく――
というお話でした。 タイトルは、『銀色のチーターラーター』。 私たちは、ぶら下がりシーソーのことを『チーターラーター』って呼んでたんです。(本当は『チーターラーダー』だったらしい)
私はこれを、物語詩の形で書こうとしてたんでした。 当時、他の形式で書くというのを、なぜか思いつかなかったから。 空想したのは小学生のときだけど、書こうとしたのは、たぶん、中1の頃かな? 頭の中ではすっかりお話が出来てたので、どの部分まで実際に書いたか覚えてないんだけど、たぶん、冒頭の火山のシーンですでに挫折したんじゃないかな(笑) そういうシーンを、詩の形で書くのが難しすぎた。 なぜ詩にしようとした、中学一年の私……(^^;)
それが、今回、お題のおかげで、ウン十年の時を経て完結したのかもしれないです。 小学生のときの空想より、ちょっと壮大な?話になってるけど。
ところで、ぶら下がりシーソーって、今は危険だからって、無くなっちゃったんですね。 若い人は、見たことなかったりするかも。 こんなやつです。 ね、ちょっとドラゴンっぽくないですか?
これ、今思えば、たしかに危険だった。 私も怪我したことあったかも。 当時は他にも危険な遊具がいっぱいあって、怪我は日常茶飯事でした。 昭和の子どもで今まで無傷で生き残ってるひとは、みんな、かなり運がいい!(笑)
……滅多に日記を書かないわりに、書くといつも長いですね(^^ゞ
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