2018年06月03日(日) |
覆面企画8・Bブロック推理その3(ファイナルアンサー) |
Bブロック推理続き、第一印象組の検証です。 例によって、現時点での仮配置をぺたり。
01 ―― ス・ガ・ル・テ 於來見沙都さん 02 フーガには二つ星を連ねて enuさん 03 ジャクリーンの腕 Veilchenさん 04 マリー・アントワネットの手を取って 篠崎琴子さん 05 赤い手 白い手 三和すいさん 06 手児奈物語 鶏林書笈さん 07 イハンスにやらせろ 歩く猫さん 08 花咲と白い犬 みずきあかねさん 09 手の行く方へ moesさん 10 ローマでも長安でも洛陽でもない、ある都の休日 盲管さん 11 手探りカデンツァ げこさん
01=おきさんは、ルビに惑わされてすぐには分からず、ちょっと迷ってから当てはめたので、多少の見比べが済んでいます。 なので、このままで。
そして、02=enuさん。 もういちど、いかにも私好みそうだった02を、こんどはじっくり味わって読む。 う~ん、良い……。好き……! そしてやっぱり、これはenuさんの匂い。 どう見てもenuさん。 サイトに、こういう、子供の考えなしな無鉄砲の話もありました。
どう見てもenuさんとしか言いようがないんだけど、念の為、物証も探してみます。 漢字変換については、御本人が、作品ごとに変えるから当てにならないというようなことをおっしゃってて、確かに雰囲気作りのために閉じたり開いたりはするだろうけど、閉じる場合にどの変換を選ぶかは、そんなにブレないと思うんですよね。 あと、語彙。 『ただ人』とか、使う人しか使わないけど、enuさんはサイトで『只人』って使ってる。 あと、蝟集なんて言葉、まず見かけないけど、enuさんはサイトでも使ってました。
あと、ひらがな多めのやわらかな表記なのに、リンゴやフクロウがカタカナ。 こういう作風だと、ひらがなでりんごとかふくろうか、でなければ林檎とか梟にしそうなものだけど、enuさんはサイトでもクマとかフクロウとかオオカミと書いてます。 あと、羽ハタキの材料になるアカスソチョウというのは架空の鳥だと思うんだけど、サイトでも『ハルヒヨドリ』と、おそらく架空の鳥をさらっと出してるところとか、そのネーミングのセンスも同じな気が。
というわけで、何も決定打はないけど、とにかく全体的にやっぱりenuさんでしょう。 これがenuさんでなければ、私は今回のこの企画で、さらにもう一人、新しく好みの書き手さんを見つけられたということで、大変喜ばしいです。
そして03=Veilchenさん。 『会話の前後に空行が入るというぱっと見てわかるなろうスタイル+人間心理に深く分け入る内容+堅実で安定した理知的で明晰な文章』という組み合わせから目星をつけただけで、空行なんていくらでも操作可能なわけですが、それを度外視して見直しても、やっぱり、これしかないのでは……? 念のため、なろうの既存作品をあらためて読みに行ったところ、『カイルと共に』にうっかり涙腺をやられて、しばらくの間、推理不能に……。 犬はダメです、犬は……(T_T) 犬モノには弱いのです……。
気を取り直して特徴を収集。 漢字の変換も全部合ってるし、――のあとに。をつけずに改行して一行空けてセリフに続くとか、ときどき体言止めや連用中止法(というのかな? 『~~して。』みたいなやつ)があるとか、セリフ中の――の用法とか、読点とか、すべての特徴が一致しています。 ここもファーストインプレッションどおりに決定。
そして04。 すみません、これはもう、どう見ても琴子さんだから琴子さんってことで! 一応、何か物証を探そうかと、サイトを見には行ったんですが、もう、全体的に琴子さんとしか言いようがなかった……。 強いて言えば、リズムとか言葉選びとか? 要するに雰囲気で! 特に、前回の覆面作品と、文章のテイストがちょっと似てるんじゃないかと。
06手児奈は前回確定済み。
そして07のイハンス。 やっぱり、これも、どうしても歩く猫さんとしか思えません。 文章のリズム、固有名詞のセンス、オノマトペ『ポクっとさやを折った』)、犬の鳴き声や咳(「うー、わん!」とか「ケホッ」じゃなく「ヴルルル……アンッ!」に「エホッ」)。 以前の参加作中の名セリフ、「やう」とか「おんー」を彷彿とさせます。 (ちなみに「やう」は赤ちゃんのセリフ、「おんー」は、焼き立ての手作りパイを口に入れた瞬間の一言で、いずれも、その的確さに唸りました) そして何より、セリフ回し。 特に『たまんないの』とか『合ってんな』の、『ん』! 異世界なのかもしれないけど、異世界ファンタジーというより西洋風の時代物(しかも市井もの)なのも、以前の参加作『クロランドの流れ矢』を彷彿とさせます。
こうなると、何か違和感がある05=三和さんを覆す可能性は、08にしかない……! 第一印象で当てはめた人の中で、一番根拠が薄いのが08のあかねさんだったんです。 なにしろ、(なんとなく匂いがする)だけだったので。 なので、08=あかねさんを検証する際には、実は三和さんである可能性も念頭に置いて慎重に……。
と、思ったのですが、あらためて08を見直すと、やっぱりこれ、どう考えてもあかねさんでしょう……。 社長のキャラとか前回のビーを彷彿とさせるし、一人称の地の文に『解せぬ』とか『マジかー!』とかセルフツッコミ(しかも時々ですます調になる)が入る感じといい……。 細かい点では、『真っ赤』でも『まっか』でもない『まっ赤』という変換とか、かたかなの『ケガ』とか(これは三和さんも同じだけど)。
まじか……やっぱりあかねさんか……。 じゃあ、やっぱり三和さんは05にするしかないのか……(10は最初から盲管さんで確定してるから!)
三和さん=05は、いまいちピンと来ないんだけど、文体フェイクをする人だし、あと、サンプルが少ない(数はあるけど断片的な習作が多くて、まとまった作品は、文章の手慣れ具合からしてどこかで書いてはいるんだろうけど、リンク先の作品置場ではあまり公開してない)から、いつまでたっても作風が掴みきれない人なので、まあ、実はこういうのも書く人なのかもしれないし……。 まあ、いいか。
残る疑いは11のげこさんと逆であることで、11はげこさんっぽくもあり三和さんっぽくもあるけど、どっちかというとげこさん色のほうが強い気がするので(そして05がピンとこないのはげこさんも三和さんも同じ)、とりあえず三和さん=05で確定します。
というわけで、Bブロックの推理結果。 今回は第一印象組をそれぞれ検証しただけで、変動なしで確定です。
01 ―― ス・ガ・ル・テ 於來見沙都さん 02 フーガには二つ星を連ねて enuさん 03 ジャクリーンの腕 Veilchenさん 04 マリー・アントワネットの手を取って 篠崎琴子さん 05 赤い手 白い手 三和すいさん 06 手児奈物語 鶏林書笈さん 07 イハンスにやらせろ 歩く猫さん 08 花咲と白い犬 みずきあかねさん 09 手の行く方へ moesさん 10 ローマでも長安でも洛陽でもない、ある都の休日 盲管さん 11 手探りカデンツァ げこさん
時間が余ったり途中で気が変わったら再検証して修正の可能性もゼロではないですが、たぶん、これがこのままファイナルアンサーになると思います。
【7月3日追記】 そのままファイナルアンサー確定しました。
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