時々管理日誌
時々だけ書く管理人の日誌です。
サイト運営や創作について、日々の雑感など。

2009年09月08日(火) 覆面企画4・後書きテンプレ回答

はんぱなく長いです……。

■作者名

冬木洋子

■サイト名&アドレス

カノープス通信 
http://www.geocities.jp/canopustusin/

■参加ブロック、作品番号、作品タイトル、作品アドレス

D02『サヌザと共に 〜草原の道〜』 
http://maskwriter.web.fc2.com/sakuhindf/d02.htm

■ジャンル

異世界ファンタジー

■あらすじ
草原の街道で道に迷った旅人が、古井戸のほとりで老婆と出会い、その地にまつわる昔話を聞かされる。
かつてそこには古い歴史を持つ都があったが、遠い昔に、蛮族に攻められて滅びたという。その時、王の愛妾であった舞姫が、懐に毒を抱いて城の中庭の井戸に身を投げたのだという。老婆は自分がその舞姫であることを明かし、美女の姿に変転して舞を舞った後、旅人に自らの髪挿しを与えて、夢と消え失せる。

■意気込みテンプレを使用された方は、URLを教えてください。

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=64893&pg=20090801


■推理をかわすための作戦は?

今回、ジャンルや内容・文体的には全く隠れる気無しでした。
前二回、一応ジャンルフェイクをしたので、三度目の正直で、そろそろ自分のホームグラウンドである異世界ファンタジーで直球勝負してもいいかと思って。
それで当ててもらえるなら、もう、本望というつもりでした。
今まで参加作では一応多少は我慢してきた(あれでも我慢してたんです!)うねうね長〜い文章も、自分に解禁して、好き放題にのびのびと、書きたいものを書きたいように書きました。
が、漢字変換だけは、手がかりを消すために、いろいろとランダムに変えてみました。

■作品のネタを思いついたきっかけは?

「う〜ん、道、道……」と、布団の中でずっといろいろ考えながら寝入ったら、目覚め際の夢に、黄土色の砂に埋もれかけた荒野の一本道が出てきて、旅人が枯れ井戸の傍で古びたメダルか何かの由緒ありげな小物を拾って、どうやらそれは昔そこにあって滅びた国の人の持ち物らしくて、元の持ち主の幻?が現れて……以下、夢なので詳細不明……みたいなワンシーンを見たのです。
で、そのシーンを元にいろいろ想像しているうちに、なぜか、ふと、大学時代に比較文化論の授業でビデオを見せられた『鷹の井』という劇のことが頭に浮かび、それで、「よし、今回は『能』でいってみよう!」と思い立ちました。
『鷹の井』は、アイルランドの詩人イェイツがケルトの伝説を題材に能の影響を受けて書いた戯曲で、『旅人が歩いていくと井戸があって、井戸端には老人がいて、老人と話をしているうちに、そばにいた井戸守の女(?)が突然鷹の精に変身して舞いはじめる……』みたいな内容なのです。
その戯曲を元に新作能も作られているそうですが、私が見たのは能のほうではなく、能の要素を取り入れて上演された戯曲のほうだった……ような気がします。大昔のことなので記憶が定かでないのですが。
別にそれがすごく面白かったとか好きだったというわけでもなく、英語だからワケわかんなかったし、どっちかというと退屈だったはずで、ずっと忘れていたのに、今頃になって、なぜか突然頭に浮かび上がってきてネタ元になったのが不思議……。

最初の夢に出てきたのが黄土色の砂漠っぽい場所だったので、舞台は草原なのに、草原がなんとなく乾いて砂っぽくなってます(^_^;)

■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。

『旅人(ワキ)が謎の人物(前シテ)に出会い、その地にまつわる伝説等を聞かされる。その人物は実は伝説の登場人物本人であり、後半、旅人の夢の中などで本来の姿(後シテ)を現して、舞を舞って成仏する』という夢幻能のパターンを踏襲してみました。

あと、細かい点ですが、お城の中庭に咲いている花の種類(アーモンドにするかスモモかアンズにするか、はたまた異世界のオリジナル植物にするか……)とその表記の選択(普通にアーモンドとか杏とか書くか、『甘扁桃』と書いてアーモンドの和名のアメンドウとルビを振るか、同表記で異世界のオリジナル植物だということにして『アマントウ』という架空名のルビを振るか、『巴丹杏』と書いておいて、人によってアーモンドなりスモモなりアンズなり謎の異世界植物なり、好きなものを想像してもらうか……)に、ああでもないこうでもないと、ものすごく迷いました。ウキウキと楽しく悩みました。
結局アーモンドにしましたが、楽遊さんのご感想を読んで、アーモンドにしといて良かったなあ……と思えました。ありがとうございました!


■削ったエピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。

今回は最初から予定通りの20枚分になったので、特に削ってはいませんが、もっと余裕があれば、砂鳥について、もっと書きたかったです!
あと、老婆の焚き火の燃料は、土地柄的に、本当は薪ではなく家畜の糞と枯れ草を固めた固形燃料のようなものだろうと思うのですが、それだと、いきなり『固形燃料』と書くのもヘンだから、オリジナルの名称とか、それがどんなものかという説明が必要となりそうで、それをやると本題と関係ない無駄な説明で文字数を食うしテンポも崩れそうなので、『薪』にしておきました。
(でも、砂鳥に関する解説は、本題と関係なくても、入れたいから入れました……(^^ゞ)


■その作品の続編または長編化のご予定は?

砂鳥をもっと描きたい一心で、続編を漠然と構想してしまいました。まだまだ漠然としてるので、本当に形になるかは、分かりませんが。
トリさんの颯爽たる戦闘シーンと、トリさんが楽師に狩の獲物(カエルとかネズミとかヘビとか、じゃなければ何かヘンテコな異世界小動物とか?)をプレゼントして、楽師が内心引きつりながらそれを丸焼きにして食べるシーンとかを描きたい!


■その作品で気に入っている箇所はどこですか?

砂鳥。皆さんお見通しのことと思いますが、もちろん砂鳥。

最初は、「舞台が異世界であることを早いうちに読者に示すために、何か分かりやすい異世界要素を冒頭から打ち出そう」という目的で、「じゃあ、手っ取り早くチョコボ(またはトリウマ)にでも乗せとけばビジュアル的に一目瞭然だろう」と思って出してみただけで、ストーリー的には、とくに出てくる必要も無かったのです(そういえば、今でも、別に必要はないかも(^_^;))。
が、出してみたら、動物を出した時の私の常で、自分がトリさんに夢中になってしまい、タイトルまで、まるで鳥がメインみたいになってしまいました。

ついでに、砂鳥について、語らせて、語らせて!!
砂鳥は、体高が馬くらいあるダチョウな感じです。
でも、顔は、キャプテン・ハーロックが肩に乗せてるトリさん(若い人には分からないかも?)みたいな、目つきの悪い顔です。
でも、楽師はその顔を本気でラブリーだと思っているのです。
ちなみに、砂鳥がデカいのは、リアルダチョウサイズだと、鳥は骨格が華奢なのに長時間人間を乗せて歩くなんて負担が大きくてかわいそうだからです。
馬くらい大きければ平気かなあと思って。
あと、翼がテント代わりになるくらい大きいと便利だし楽しいから。
でも、そんなに大きいと飼葉が大変で、人里離れた場所で野宿の旅をするにはものすごい大荷物がいると思ったので、そこらのものを勝手に食べる雑食性にしました。
全く餌をあげないのではなく、宿場ではちゃんと飼葉をあげるし、ご褒美用のかさばらなくて嗜好性の高いおやつ(馬なら角砂糖、犬ならジャーキーみたいな)を携行していて、時々あげるのです。
近所のダチョウ牧場では、餌やり用に、何か、大粒の雛あられみたいなものを売ってたなあ……。ああいうのでも楽しいかも。
うん、トリさんは、きっと、甘いものが好きです。トリ用のおやつには、きっとハチミツが入ってます。
ちなみにサヌザはめんどりです。楽師のことを、いつまでも羽が生え揃わない手のかかる雛みたいに思ってます。

……という具合に、私の頭の中はトリさん一色です(^^ゞ


あと、『裳裾がさんざめく』という表現。
脳内にある映像を文章にしようとして、なかなかぴったりくる表現が見つからず、ああでもないこうでもないとさんざん考えているうちに、ふと思いついたら、ぴたっとハマって嬉しかったので。

あと、『なんと都合の良いことに』というフレーズ(笑)。
もしこのお話をシリーズ化することになったら、その際は、毎回、『なんと都合の良いことに』というフレーズを入れたいと思います(笑)

■推理期間中、褒められた点は?

砂鳥。あと、描写とか語彙の量とか? おそれいいります……m(__)m
あと、褒められたというのじゃないんですが、反響が大きかったのは、『楽師が実はイケメン』というところ(笑)

■推理されてみて、いかがでしたか?

推理してくださった方、感想くださった方、ありがとうございました!
思いっきり当ててもらって本望です。光栄です。
今まで私の作品を推理したり当ててくださってる方は、私の作風やクセを、私自身より良く知ってくれてるかも?
何しろ、初参加の時まで、自分の文章に読点が人より多いことに全く気がついていなかったくらいなので(^_^;)
今でも、いくらフェイクしていないとはいえ何で自分がここまで当てられまくるのか、実は良く分かってないです。
それにしても、鉄板上等と覚悟はしていても、ここまで迷わず当てられまくるとは、さすがに思ってませんでした……。

今回の自分的テーマは、『書きたいことを書きたいように書いて正々堂々と当てていただく』と、もう一つ、サブ・テーマとして『でも、漢字変換でだけは当てられない』というのだったのですが、そっちのほうも、漢字変換を徹底的に調べた羽津樹さんから『証拠をつかめかった』というお言葉を引き出せたので、大満足ですv

あと、多くの人が推理の時に着目してくれた『注』マークについて、ちょっと言い訳を……。

自分で『注』を付けといて何ですが、私、この作品が、年齢制限はもちろん、注意書きが必要なものだとさえ、実は思っていません。
なので、自サイトにアップする時には、注意書きや年齢制限はつけない予定です。
それでも、今回『注』をつけたのは、企画内の決まりとして、『自殺・薬物』が出てくる作品にはそれをつけるということになっていたからです。
今回の拙作には、どう見てもあきらかに自殺と毒薬が出てきてます。
で、今回は下読みが無いのだから、明らかに指定要素が出てくるのに『でも読後感は暗くないから』とか『昔話としてさらっと描かれるだけで具体的な描写はないから』とか、その作品内での扱われ方による自己裁量をしたりせず、単純に、機械的に、決まりに従うべきだろうと思ったのです。

……と、本人としては大真面目に「人に迷惑をかけないよう、決まりは厳密に、真面目に守ろう!」という心がけでやったことなんですが……なんか、浮いてましたね(^_^;)
あちゃ〜、またやっちゃった……orz

というわけで、02の作者は『年齢制限に敏感な人』でも『用心深い人』でもなく、ただ単に、『馬鹿真面目の度が過ぎて時々ちょっとズレちゃうトンチンカンな人』なのでした(^^ゞ


■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?

D12『ハイカラ娘と銀座百鬼夜行』に一票。光栄です!
誰も間違ってくれないのも寂しいから、嬉しかったです。
あとはみんな正解。
あと、推理の途中で一瞬迷ってもらえたらしいのは、D01『帰らずの坂』。
一瞬でも光栄です!

追記:その後、D03『ナキオニ』に1票入ってました。
大好きな作品なので嬉しいです。


■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?

桂木直さん。恐縮です。

追記:たかしょうさん。恐縮です……。でも、2回続けて同ブロックなのに前回は誰にも取り違えてもらえなかったので、何かか、同ブロックになった甲斐があった……みたいな気分で嬉しいです。


■推理してみて、いかがでしたか?

好きサイトさんや仲良し管理人さんの作品は読めば分かる……そんな風に思っていた時期が、私にもありました(遠い目)
毎回、意外と分からないことに愕然とします。

あと、推理をすると、読み手としても書き手としても、本当に勉強になります。
普段ならありえないほど、ものすご〜く読み込むと、普段は見えないものが見えてくるような……。
普段は、しっかり読み込んだつもりでもけっこうあっさり流してるんだなあ……ということが実感されます。

推理中は、いろいろと好き勝手なことをほざきまくって、作者の皆様には失礼しましたm(__)m
知り合いであってもなくてもおかまいなしに、苗字より名前のほうが印象的だったり変換しやすかったりする人は勝手に名前呼びしてたし……。
お祭りに免じてご容赦くださいませ。

■あなたの正解率、どのくらいでしたか?

4ブロック推理して、39/48=約81%

■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?

毎回思うのですが、人の好みは多種多様ということ。
どの作品を気に入るかも違うし、同じ作品についても、『○○なところがいい』と『○○じゃなければ良かったのに』という正反対の感想が出てきたり。
それを見てると、(万人に好かれる作品は無くても、どんな作品でも誰かは気に入ってくれるのかも……)とか(もし否定的な感想を貰うことがあっても、それが全てと思う必要はないんだ……)と思えて、何か、勇気が出ます。

あと、今回、自分が文章を書くときに、開いてあったほうが好みな漢字もなぜか自分では閉じていることが多いのに気がつきました。
特に深い考えがあってのことではなく、なんとなくクセで閉じてるだけのようです。
これから、徐々に、自分の好みに合わせて漢字を開くようになっていくかもしれません。

■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。

■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。

『魂に著作権はない』『ドM道』

■参加作品の中で面白かった3作品&一言感想、お願いします。

 ↑の『印象深い作品』と合わせて、数増やしちゃいます。
 
『ナキオニ』・『かつて歩いた道』・『かえりみち』 泣いた!
『俺は不良』 笑った! 和んだ!
『帰らずの坂』 私好みのオチャメなちょい悪ジジイに萌え! 清明様と合わせてダブル爺萌えで、これはもう、うほっ、爺パラダイス♪
(ちなみに私の脳内では、惟尹さんのビジュアルが、なぜか『しんえもんさん』(@アニメ『一休さん』)。時代が違うのに……(^_^;)) 
『父へ』 人生の機微を描いて後味爽やか。
『クロランドの流れ矢』 赤ちゃんのプエリョが可愛い! 特に『やう』の一言が絶妙! 名前も可愛い!



以上、後書きテンプレ回答でした。

ほんとに楽しい企画でしたーー!
思いっきり本気で力いっぱい遊ばせていただきました。
参加者の皆様、お疲れ様でした&お世話になりました!
ご一緒できて楽しかったです。
いろいろ失礼もあったかと思いますが、お祭りに免じてご容赦くださいませ。
ネジ子さん、ご尽力ありがとうございました!
おかげで楽しませていただきました!


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