| 2005年03月24日(木) |
大阪弁フィルター&方言万歳 |
相互リンク先 よもぎの森さんの日記で、面白いものが紹介されていました。 あんまり面白いので、私も便乗。 文章を大阪弁に自動翻訳してくれる、大阪弁化フィルターというものです。 森さんは、自分の小説『ティルスの紡ぎ詩』の冒頭を大阪弁に訳して日記に載せてましたが、これが面白いのなんのって。 笑えるだけでなく、なんかすごく味がある、いい雰囲気の小説になってるんですよ。
面白そうなので、私も『イルファーラン物語』の冒頭を翻訳してみました。 でも、『イルファーラン物語』はもともと文章が硬いせいか、難しい文章の後に大阪弁の語尾をとってつけただけ……みたいになって、あまり面白くありませんでした。残念。 でも、セリフ部分だけはそれなりに面白かったです。 なので、ちょっと、翻訳成果をご紹介。第一章第一場冒頭のアルファードのセリフです。
「なんでわしは、虹がでるたびに、引き寄せられはるようにあの場所へ行くのやりまひょ。なんのために……。あそこに、何があるとぬかすのやりまひょ。わしの失われた過去の手掛かりを探しにいくのやろうか。オノレがこの世界に生まれ出た場所、オノレの原点ともいえる、あの場所に。……そうや、わしがあほんで倒れとったあの日にも、虹が出とったのや。目をあけて、最初に見たんは、虹やった……」
ちなみに原文は↓ 「なぜ俺は、虹が出るたびに、引き寄せられるようにあの場所へ行くのだろう。なんのために……。あそこに、何があると言うのだろう。俺の失われた過去の手掛かりを探しにいくのだろうか。自分がこの世界に生まれ出た場所、自分の原点ともいえる、あの場所に。……そうだ、俺があそこで倒れていたあの日にも、虹が出ていたのだ。目をあけて、最初に見たのは、虹だった……」
アルファード関西人化は、かなり無理があるかと……(^_^;) でも、ローイのセリフは、きっと関西弁でもあまり違和感が無いに違いない。
……と思って、試してみました。結果は……。
原文 「リーナちゃん、ごめんな。いきなりこんなこと言って驚かして。やっぱり、ちょっと唐突だったよなあ。うん、今の今までただの友達だったのが途中の段階全部すっ飛ばしていきなりプロポーズってのは、いくらなんでも無理があるよ。俺としたことが、どうかしてたよ。反省してる。今度誰かにプロポーズするときにゃ、これを教訓にして、もっとうまくやるよ。だからあんたは、このことはもう気にしないで、いままでどおり軽口の言いあえる仲でいてくれよな」 ↓ 「リーナちゃん、ごめんな。いきなりこないなことぬかして驚かして。やっぱり、ちーとばかし唐突やったよなあ。うん、今の本日この時までたやら友達やったんが途中の段階ぜええんぶひとつのこらずすっ飛ばしていきなりプロポーズちうのんは、なんぼなんかて無理があるんや。わしとしたことが、どうかしてたよ。反省しとる。今度どなたはんかにプロポーズするっちうときにゃ、これを教訓にして、もっともっともっともっともっともっともっともっともっとあんじょうやるで。やからあんたは、このことはもう気にせんといて、本日この時までどおり軽口の言いあえる仲でいてくれよな」
やっぱり、ぜんぜん違和感ないんですけど……(^_^;) ローイって、もともとこういうキャラだよね……。
実は私、最近、『焼きたてじゃパン』に出てくる金髪・関西弁の河内君が、自分の頭の中でたまにローイとダブるような気がしてたんですよね。 私の頭の中ではローイはもともと関西弁キャラだったらしいです(^_^;)
この『大阪弁化フィルター』、リンクしていいものかどうかわからないので、興味のある方は検索してみてください。すぐに見つかります。
ところで、この大阪弁は自動翻訳だから、まあ、かなりヘンだけど、それはお笑いネタだから置いといて、真面目な話、方言って、いいですよね。
昔、投稿雑誌『詩とメルヘン』に『方言詩集』というコーナーがあって、私、そのコーナーが大好きだったんですよ。 方言で書いた詩って、とにかくいいんです。 どんなどうってことないような内容でも、方言で書いたとたん、がぜん味わい深く、素敵な詩になっちゃうんです。 同じような内容でも方言で書いてあるというだけで、突然、素敵さが数倍増しになるんだから、なんともうらやましかったです。
私は東京出身なので、完全に標準語をしゃべっているわけでは無いものの、はっきり方言とわかるほどの方言は持っていないことが、ちょっと残念です。 我が物として使いこなせる方言を身につけているって、もの書きとしては、すごく有利なことではないかと。
宮沢賢治の詩に、瀕死の妹が「雨雪とてきてけんじょ」(←うろおぼえですが)というのがあるんですが、あれも、あのセリフが方言でなかったら、あれほどの味わいは出なかったんじゃないでしょうか。 方言で書いてあるから、あのセリフで、グっと泣けるんですよ……。
方言は、もの書きにとって、貴重な財産ですよね。 もちろんそうじゃない人にとっても。
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