ふすまのおく
細々、ぼそぼそ書いてます。

2021年09月25日(土)

お彼岸なので墓参りに実家へ行ってきた。

仕事を辞めた事をようやく伝えて、これからどうしていくかを決めた。
まだ迷うけれど、方針は何となくはっきりした。
仲間との別れがちらつくけど、何とかつなげていくやり方があればいいなと思う。


母は養蚕している農家を紹介しているテレビ番組を見て、
母の小さい頃の思い出話をしてくれた。

母の実家は兼業農家で祖父が外で働いてきた後帰ってきて養蚕、
祖母と母は祖父が帰宅するまでの間畑や田んぼで農業をして暮らしていた。
養蚕の様子が画面に映ると
「桑は向きを一定にしておかないと、一度に桑の枝を取るのが大変なはず」
テレビで紹介していた方法なら昔と違うし大丈夫だと感心していた。
当時の養蚕は桑さえあれば一か月周期で繭ができるので、
大規模にやるならいい稼ぎだったようだ。
家で牛を飼っていたので牛乳は自分で絞ったうえで飲みたい放題で、
学校給食の牛乳はまずかったらしい。
学校から帰ってきてとにかく農業、たまーにどじょうすくいで気を紛らわせていたとか。
すくったどじょうはおいしくいただきました、とのことでちょっと笑った。
昔のことを思い出して「あの頃は今思えばよかったと思う」と懐かしそうに言った。


私が小さい頃はまだ母の実家では小さい蚕小屋で蚕を飼っていて、
桑を食べるむしゃむしゃという音だけが響く暗い小屋は怖いけど楽しかった。
小屋の隣の畑の桑の実を食べるのは大好きだったが、
ばれないように食べても実の赤い色素が服についていて一発でばれる。
でもおいしいのでこっそり食べた。
蚕小屋の近くにシンゴちゃん、という黒い犬がいたのも覚えている。
今思えば、その時はそうは思わなかったがいい時代だったなと私も思った。


もう語り継いでいく人もいないため、こうしてこういう場所に残していくしかない。


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襖 [MAIL]