ふすまのおく
細々、ぼそぼそ書いてます。

2016年02月28日(日)

夜中に実家について、一日だけ用事を済ませて帰ってきた。

両親と顔を合わせる時間があまりなかったけれど、
母が「奥の部屋を見てきて」と言うので見てきたら、
雛人形が飾ってあった。

姉も私も不在の実家に、家にある雛人形を全て飾ってくれていた。
「ケースのお雛様が多いので飾り終わったら少し処分しようと思う」
と言ったので少し寂しいとは思ったが、
それより、どんな気持ちで、母が娘のいない家に雛人形を飾ったのかと思うと、
帰りの車の中で少し泣いた。

親不孝でごめんなさい、この雛人形を継ぐことができなくてごめんなさい、
あと、遠くに離れていても忘れないで飾ってくれてありがとう、
と、面と向かって言うことができなかった。

私が子を残すことはほぼないだろうから、してもらった恩を子供に返すこと、
それができなくて申し訳ない。

実家に帰りたい、今の不毛な生活をすべて返上したい、と頭の隅で思うが、
気になる人もいるし、仕事以外にやりたいと思うこともある。
でも、忙殺されてそれが叶わなくなったら今の場所にいる意味なんて何もない。
帰りたい。


 <past  index  will>


襖 [MAIL]