on a wall
亜栗鼠



 ビーフストロガノフ

彼の退院祝いにと、ビーフストロガノフを作った。

ビーフストロガノフが好きだと聞いていたけれど、
作り方知らないわ、
食べた事も無いわ、
で、待って下さいと言っていたのだけど
自信の無いまま本を片手に作ってみた。

失敗すれば愛の崩壊の危機。
成功すれば彼は私にメロメロ。

という、恐ろしい賭けだった。

ビクビクしながら、彼がビーフストロガノフを口に運ぶのを見つめる。

一口食べて、彼の動きが止まる・・・


「美味しいっ!」


大成功!

ホッとして、涙が出そうなくらい。
そして、凄く嬉しかった。
やっぱり、好きな人が自分の作った料理を美味しいと言って食べてくれるというのは嬉しい。
女で良かったと感じる。
女で良かったというか、料理を作って良かったというか、彼の為に作って良かったって感じでしょうか。

「感謝の気持ちを忘れちゃいけない」
と彼はよく言うけれど、
いつも「美味しい」と言って食べてくれると、
ホント「この人の為に作りたい」って思える。

別に私は特別料理が上手な訳でもなく、むしろ出来ない方なのだけど。

何をするにも、やっぱり気持ちが大切ですね。


これで、もう彼は私にメロメロ☆

と言いつつ、今日も不安に陥る。
いつもの不安。
何度も何度も同じことを言って不安になってる自分も嫌なのだけど。

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2002年06月08日(土)
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