日日雑記
emi



 悪霊三昧

気がついたら午前4時でした。
悪霊シリーズ(ゴーストハント)読むと、いっつも夜明かしになってしまいます。だって途中で止められないんだもん。


主人公ナルちゃんは、超常現象を科学的に解析することを信条としています。たくさんの機材を使って多角的なデータをはじき出し、原因をひとつひとつ解き明かした後、どうしても解析不能な事象を前にして初めて”ゴーストハンター”の腕を振るうのです。
File1で、とある高校の旧校舎で起こる怪現象を、霊障ではなく地盤沈下と断定するところはとても象徴的です。その結果を聞き生徒の麻衣が「自分の学校に不思議な怪談があるのってちょっとワクワクしてたんだけどな」と残念がる様子に、人は怪談にある種の郷愁を感じるものなんだと、あらためて思うのです。


ナルちゃんがもっとも嫌うのは、根拠もなく心霊現象を崇めたてて、なにもかも神秘(あるいは”科学なんかじゃ計りきれないものがある”)という言葉に集約しようとする、盲信的な輩。むしろ、有無を言わせぬ証拠を揃えれば納得してくれる否定派の方がずっとマシだとさえ言います。
発想=事実として、検証を見事にすっ飛ばす陰謀業界と心霊業界は、ナルちゃんの言葉を肝に銘じた方がよろしいでしょう。


荒俣宏の「帝都物語」がヒットした際、ご多分にもれずそっち方面の本をずい分漁りました(苦笑)。マイブームが過ぎるとあっさり処分してしまうことが多いですが、これらのいくつかは今も保管しています。悪霊や妖怪、呪術や宗教といったものは、そうとは知らず現在も、我々の生活様式に色濃く影を落としているからです。

何故人は飛び降り自殺するとき靴をぬぐのか。
橋を渡るとはどういう意味があるのか。
電話の第一声が「もしもし」なのはどうしてか。
――これらにはみな、民俗学的に明快な答えがあります。


太古から連綿と続く「地が受け継ぐもの」――洋の東西を問わず、多くの伝承が残ることこそ、それらが事実「在る」証拠なのかもしれません。






2006年11月21日(火)
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