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■ 11月の目玉商品
10月になったばかりでその態度はナンダ#と怒られそーですが、ワタクシ的には大ニュースなのです。 それは……
11月に中央公論社から、村上春樹翻訳の『グレート・ギャッツビー』(スコット・フィッツジェラルド)が発売されるのです〜〜〜!(>_<)! うっぎゃ〜〜〜(^o^)丿
「いつかギャッツビーを訳したい」 と話していた村上さん、こっそり作業は進んでいたのですね! ちょっと早いけど、今年最高のクリスマス・プレゼントですわ!! ちなみにハードカバー函入りは2,600円(ワダマコト氏の装丁ですって♪)、新書版は1、000円、同時発売だそうです。
先日は『翻訳夜話2/サリンジャー戦記』(文春新書)を読みました。村上さんと米文学者の柴田元幸さんのお二人による、翻訳作業アレコレ対談を収録した本の続編で、村上版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』に特化した内容でした。 サリンジャー側との契約に基づき、『キャッチャー』巻末に収録できなくなってしまった訳者解説も、こちらの新書で読めます。
サリンジャーの他の作品は未読だったので、とりあえず『ナイン・ストーリーズ』(新潮文庫)を買ってみました。 『ナイン』を始め、これまで『キャッチャー』などサリンジャー作品その他の翻訳家として名高い野崎孝さん(故人)も、翻訳契約に苦労された様子です。 本の題名は英語の原題を文字通り翻訳すべきこと、本の表紙にもジャケットにも作者の顔写真その他いかなる序文・はしがきの類いもまた同断であるという趣旨の条項が存在するのだそうです。
翻訳作品を出版するにあたっては、作家のおおよその経歴や作品の成立過程を付記するのが慣例だけど、サリンジャーという人は本国でも略歴掲載を拒否しているらしいのね。 自分は、作品を読むのに作家の略歴など別段知りたくもない と言ってるし、略歴を出したくない本質的な理由があるようです(家庭の複雑な宗派や戦争で受けたPTSDなど)。 ま、作品だけで勝負と見なせば、問題ないのでした。
むしろ問題あるのは、文庫の差込広告がフィッツジェラルトとカポーティだったことか。
あたし、完全に「ある種定番コース」に乗っかってるみたい(^_^;)
村上さんの功績のひとつは、ヴィクトリア朝時代の保守的傾向を踏襲したブンガク以外の、渇きや諦念をあらわにした「あめりか物語」を、我々=モノの価値を相対化したがる世代に静かに提示してくれたことだと思うのです。
アメリカという国を、あたしは知らないけれど、文学の側面だけなら同調できる要素が多いかなーと、ちょっと嬉しい気分です。
2006年10月01日(日)
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