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■ 夏の終わり
今と違って、学生の頃は夏休みが好きでした。 朝寝坊しても平気だし、畳に寝っ転がって好きなだけ本を読んだりお絵かきしたり。 田舎の夏はおだやかで、風にゆれるカーテンの裾が、ふくらはぎをくすぐってゆくのさえ楽しみでした。
庭の池のほとりでは、羽化中のトンボがラジオ体操帰りの子どもたちを迎え、学校プールのあと中耳炎の激痛にあえぎ、縁側でスイカの種の飛ばしっこに励み、たまに宿題のことを思い出し、すぐさま忘れ――おおよそ、そんな風に夏は過ぎていくものでした。 大人の夏は宿題こそないけれど、背負ってるものが多すぎてどこにも走っていけない歯がゆさだけを感じます。
今年の夏は、本当はいろいろ思う必要があったろうに、あたしはほとんど全部を故意に鈍感になって処理しました。そうでもしないと、現実に押し潰される自分を「人生ってこんなもんさ」と納得してしまいそうで怖かったからです。
そんな夏がもうすぐ終わります。 皆さんの収支決算はいかがでしたか?
2006年08月29日(火)
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