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■ 死刑執行直前でも読みたい本
N響のバイオリニスト、鶴我裕子さんの著作『バイオリニストは肩が凝る』(アルク出版企画)の中に 「『サキ短編集 新潮文庫¥200』よりおもしろい本があるだろうか。あれなら、死刑執行の直前だって読んでしまうだろう」 と書かれてあり、そんなに面白いなら読んでやれで、即座に書店に走りました。 4件目でやっと見つけた短編集、現在は¥362でした。翻訳は中村能三、先日読んだ『オリヴァー・ツィスト』と同じ。なら安心して読めようというものです。
あとがき解説によると「泊り客の枕元に、O・ヘンリィ、あるいはサキ、あるいはその両方をおいていなければ、女主人として完璧とはいえない」くらい、イギリスやアメリカの気の利いた家庭には必ずサキ作品が備えてあるそうです。 サキの名前は知っていていましたが今回初めて読んでみて、カポーティ同様ある種毒の効いたお話の数々、たちまちファンでございます(鶴我さん、ありがとう!)。
また、最近流行のデカいフォントに広い行間なんて無粋なことなく、昔ながらの文庫本然としてるとこもマル。出版側は読みやすいようになんてもっともらしいコト言ってるけど、過去の名著が変わらない体裁ってゆーのは、要するにイマドキ売れ筋の水増しページ稼ぎなんじゃないのぅ?
サキはイギリス出身の作家で、本名はヘクター・ヒュー・マンロー。1904年に短編集を発行し、1916年第一次大戦で戦死。享年46歳。 ペンネームは、オマル・カイヤムのルバイヤートからとったっちゅーのもイカしてるじゃございませんか。
世間さまはダ・ヴィンチ・コードでかまびすしいかぎりですが、マグダラのマリアがどーのこーのなんて、何十年も前からよく聞くお話。それよか死海文書のいきさつの方が、よっぽどミステリアス&スリリングでしてよ(もちろんEVA色抜きで)。
神サマよりも、地べたで右往左往する人間の愚かさを愛しく思う、天邪鬼な管理人でした。
2006年05月21日(日)
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