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 ジョナサン・キャロルが売れないってマジ?

米澤さんの「夏期限定トロピカルパフェ事件」を読み、ちょっとぼけーとしてましたら、同じく創元文庫からジョナサン・キャロルの新作が出てるのを知り慌てて買いにいきました。
偶然読む機会を得たキャロル作品については拙日記でも以前書きましたが、今回はダークファンタジーからミステリーへとジャンル変更されていまして。

新作『蜂の巣にキス』の解説によると、キャロル作品は日本で売れないんだそうです。うそー信じらんなーい!と、ひと昔前の女子学生のように両こぶしを口元にあてて驚いてしまいましたわよ(^_^;) 道理でどこの書店にも置いてないハズだわ。

いえ、そう言いますのもね奥さん(誰)、第一作目の『死者の書』を探してたとき、結構大型と思える書店ですらキャロル作品はついぞ一冊も見つからず、渋谷の某巨大書店でやっとこ入手した経緯があったんです。ネット検索でも取り寄せに日にちはかかるけど、ちゃんと発行されてんのよねー。ファンタジージャンルでトップに紹介されてる作家なのになんでだろうと首をひねってたの。

それが今回、新作発売にともなって『死者の書』が表紙リニューアルで登場。しかも帯の推薦文は宮部みゆきだったか恩田陸だったか(覚えとけ自分#)とにかく創元力入れてんじゃん!とほくそえんだのも束の間、ついに絶版本が発生してしまったのですよ、うそー信じらんなーい!!

このままじゃせっかく読み始めたシリーズが途中で歯抜けになる危険性大なため、急遽全巻買いに走りました。書店で見つからなかったものは、ネット通販と古書店でゲット。ぜーはー;

……思うに、キャロルの作品はファンタジーに転じる要素があまりに大胆で突飛なため、対照的に主人公たちの日常がステレオタイプすぎるきらいがあります。ダークの度合いも激しいし、好まれない理由もそのあたりなのかなあ。ミステリーへのジャンル変更も、苦肉の策なのかもしれません。

読後、鉛を飲み込んだような遣り切れなさや、止められない深爪のような痛みを味わいたいなら、キャロル作品がお薦めです。





2006年04月26日(水)
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