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■ 『山尾悠子作品集成』
初版2000年6月発行。 確か7000部で即完売だったとききます。
昨日届いたのは2001年3月発行で第3版でした。 A5版ハードカバー、全770ページ化粧箱入り、8800円。 高い!と思う人は、まだ本当のファンタジー、いえ幻想小説を知らない――とは、ちょっと言い過ぎでしょうか。
本を読むのは好きだけど、再読したいと思うものは滅多にありません。書棚にあふれているのは、作品というよりむしろ、資料として備蓄しているのがほとんど。学生の頃からの愛読書となると、マンガを除いて10冊くらいかなあ。
その中に山尾悠子の『夢の棲む街/遠近法』があります。 1978年、早川書房から文庫で発売された作品に加筆し、新作を含めて1982年に三一書房から新装版として発売されました。 当時から山尾さんの本は見つけるのが難しく、いくつかあった単行本の中でついにこの一冊しか入手できなかったのが今でも悔やまれます。
作品集成付録の栞によると、山尾さんは1977年、22歳のときに 「ファンタジーという名称は、今では語源を離れて女学生好みの深夜放送風幼児語になりさがっているような気がして、好きになれません」 と発言しているそうです。
ここで作品の内容についてあれこれ語るのは、まったく無駄な行為なので省きます。もとより、読者は語る前に山尾さんによってすべての言葉を奪われてしまっているのですから。真に「言葉」を求めようとする者は皆、彼女の前に喜んでひれ伏すでありましょう。
今度あなたが比較的大きく品揃え豊富な書店に行かれたら、是非山尾さんの本を探してみてください。見つかれば、あなたは「彼女に選ばれた」幸運な読者になれることでしょう。
2005年09月08日(木)
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