スロでの縄張りを広げようとしているフレンチ嬢と、 珍しく昼食を外で食べる。 行き先は、オペラ座の隣にある、 シーフードレストラン。 数年前、教育実習生としてスロに来たコージ苑が、 同じく実習生だったぶっひー嬢と試して、 いたく気に入った店なのである。
入れ替わりの激しいスロで、 レストランを長く経営するのは難しい、と思う。 ここは味もよくて値段もまあまあ、 気取りすぎずくだけすぎず、 ちょうどよいバランスを保っている。
「とりあえずビール」のコージ苑と、 「とりあえず水」のフレンチ嬢は、 いそいそとメニューを開く。 スロ語と英語とドイツ語、それにフランス語が併記。 すばらしき多言語主義である。
シーフードレストランに来ているというのに、 「肉にしようかな」などと言うフレンチ嬢に対して、 コージ苑は最初から「今日はイカを食う」と決めていたので、 「カラマリカラマリ〜」とページをめくる。
あるある、ありますよ。 イカのグリルにイカリング、そして… そして…
この、「イカのパリジャン風」というのは何ぞや。
二人で頭をひねったが、それらしい料理は思いつかない。 大体、「イカ」と「パリ」というのが、 頭の中で結びつかないのだ。
一抹の不安を残しつつ、 怖いもの見たさで注文する。 似たような料理を比べてみようということで、 フレンチ嬢は「イカの地中海風」をオーダーした。
待つ事20分、運ばれてきた皿を覗き込む。 まず、フレンチ嬢の「地中海風」は、 小イカを丸ごと揚げて、 イタリアンパセリのみじん切りとニンニクをたっぷりかけたもの。 ニンニクたっぷり、というあたりが地中海風でございます。
そしてコージ苑の「パリジャン風」は、 イカのぶつ切りを揚げて、 レモン一切れを添えたもの。
…ただのイカフライじゃん。
それでも、フランスだからって、 チーズをまぶしたりしてなくて良かったと、 自分を無理矢理納得させつつ賞味したコージ苑である。
ちなみに、「イカのパリジャン風」のすぐ下には、 「イカのパリジャンヌ風」というのもあったりした。 命名の性差が、調理法にどういう影響を及ぼしているのか、 今後の研究が待たれるところである。
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