たまには、一日中読書っていうのも良いでしょう。
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白州正子『両性具有の美』新潮文庫 薩摩軍人の娘として生まれ、 幼い頃から能を学び、 長じては小林秀雄らと交流を持ったというこの人を、 コージ苑は今まで全く知らなかった。 読んだことはなくても名前は知っているという場合が多いのだが、 今回ばかりは降参。 で、内容はというと、 古典に関する著者の知識を存分に駆使して、 平安から続く日本の男色趣味について評論したもの。 そっち方面に興味がなくとも、 学校で習ったのとはちょっと違った目線で古典が読めて、 思わずにやりと笑ってしまったりする。
辻仁成『海峡の光』新潮文庫 今まで食わず嫌いだった辻仁成であるが、 両親文庫はこういうものも無作為に送ってくるのである。 コージ苑がどうして今まで「食わ」なかったかというと、 理由は単純、 著者近影で格好良さげなポーズをとっている作家が嫌いだからだ。 文学と全く関係ないあたり、 本物の文学好きにとっては言語道断な見方ではあるが、 自分というものを前面に押し出してくる作家の本を読むと、 作品にうまいことのめり込めず、 著者の作為というものがちらつくような気がしちゃうのだ。 今回もご多分に漏れず、 解説で江國香織の言うところの「言葉の世界」に入り損ねてしまった。 いかにも「男」の書く「男」、という印象だけが残った。 あああ、実はすごい作家なんだろうに。 ファンの方にはひたすら謝るしかできないコージ苑である。
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