■『異存なし、感慨あり』■
2004年11月02日(火)
「モーニング娘。にみるアイドル音楽の再評価」に行ってきました。 http://mmrevent.hp.infoseek.co.jp/
なかなか興味深いお話を伺う事が出来ました。
永井ルイさんは相変わらず我が道を行くという姿勢。 はじめて見た渡部チェルさんは有能な仕事人という印象。
ハロー!ではほとんど注文が付いた事がないという永井さん。 ハロー!は直しが多い現場だという渡部さん。 アレンジャーによって発注の仕方も千差万別なんですね。 ま、人間対人間ですから当たり前ですけどね。
それにしても宇多丸さんの交通整理能力は凄いですね。 談話に心地よいグルーブを刻む司会術。見習いたいなぁ。 また、早稲田モー研たかぎ氏のキャラも良かった。
早稲田モー研には、今後も継続した活動を期待したいものです。 ご苦労様でした。
■ 講演会後は、クニオ、ともいち、ノブスキー、おぎーの各氏と早稲田の安いラーメン屋で食事。
ラーメン激戦区の早稲田〜高田馬場ということで、ほんとは行列の出来る高めの値段設定の店に 行きたかったけど、大人数だったのでまぁ仕様がないね。そういう店、高い上にゆっくりできないし。
その後早稲田通りを高田馬場に向かってごっしーの仕事場に乱入。俺しかいないふりして電話して みんなで上がり込む(笑)。仕事あったっぽいけど、歓迎してくれたごっしーには感謝。ビールを 買い込んで勝手に宴会。
その場で「涙が止まらない放課後」CDとシングルV.の試聴会。 CDはご想像の通り、みなさんボロクソ。「気持ち悪い」とかなんとか。クニオくんだけ笑ってたかな。 「お、こりゃ面白いんじゃないの?」てな感じで外側から眺めてた。初聴だったc/wはなかなかいい。
PVは更にきつかったですね。キャバクラ〜ヘルスのイメージビデオみたいなもん。 「萌え要素」にのみ訴えかける作り。金は全然かかってない。CDジャケ見りゃ分かるけど、 明らかに束ものアイドルで売ろうとしてますね。全員同じコス。ミニスカ、Yシャツ、ヒール。 「モーニング娘。」という看板だけ維持させようとしている。常に誰かが抜けるんだから、 それはそれで正しいんだろうと思う。とにかく先に枠だけ作って維持させるかたち。
「これだけいりゃ、この中には誰か一人はタイプの娘がいるでしょう?」近似値でいいわけだ。 フーゾクと同じですな。そしてそれはビジネスとしては正しいと思う。表現として面白いか どうかは別として……。
俺がモーニングという現象の中で最高に痺れた要素の一つ、個対個の織りなす熱血スポ根的人間 ドラマ(ごまっとうまでは残っていた)は、もはや完全にアキバ系の集団萌え要素展示会に取って 替わられている。アクシデント続きの泥臭い一回性の人間ドラマから、管理されたショウケース での交換可能な萌え要素へ。
良くも悪くもこれが今のモーニング娘。なんだろう。 異存はない。感慨は、ある。
□ 「ゆれるver.」を見て、嘔吐しそうに。いや、マジで。それ以上は何も言えないすね。
さらにPV収録のメイキングが全くおもしろくない。ごっしーが言ってたけど、現場が非常に静か。 前作までは辻加護があちこち走り回って雰囲気を楽しい方向に壊乱したものだが……。
■ と言いつつ、帰りがけにポータブルCDプレイヤーで「涙〜」をリピートして聴くと意外に 悪くないことに気付く。
この安い複製名画のように「ロマンチック」なストリングスとハープシコード、微妙に 気持ちいい。ベースの浮遊感も悪くはないし、パーカッションも気持ちいい。歌詞にもちっと 面白みがあればなぁ。ま、イメクラの女子高生プレイだから紋切り型オンリーなのは仕様がないか。 この紋切り型の陳腐さにあえて身を浸して楽しめってことなんでしょうか。“プレイ”だし。
ストリングスはポール・モーリアあたりのイメージか。個人的には、101strings「astro sounds」 の凶悪さを勝手に補完して楽しんでいます。
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