ムッキーの初老日記
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お盆が終わった。 毎年この時期は、なにかしら「?」という出来事があるのだが 今年は「?」の3連発を経験した。 怖いというより、不思議な出来事だ。
13日のお盆の入り。 オッサン君も、義弟のちゃこりんも仕事だったので 私とシュー・トメの二人で墓参りに出かけた。 きれいに掃除をし、花を供え、線香を焚き さあ帰ろう、としたその時。
私が持っていた、掃除用のプラッチックのバケツがいきなり ブブブブブブと震えだし、「うわっ!」と私は手を離してしまった。
まるで携帯のバイブレーションのような、細かく、そして大きな振動であった。 気のせいではない。この「ブブブブ」という振動音をシュー・トメも聞いている。 そして「何事?」と思い振り向き、私が手を離す瞬間を見ている。
蜂やカナブンなどの虫が来たのかとも思ったが 二人とも虫が来た所も、飛び立った所も見ていない。気配もなかった。
不思議な事もあるものだ、と言いながら家に帰り シュー・トメ宅の居間でお茶を飲んでいたら 今度は台所で「ゴトン」と大きな音がした。
何かが落ちた音だ。
見に行ったシュー・トメが怪訝そうな顔で戻って来て 「フライパンが床に落ちてた・・・」と言った。
フライパンは、頑丈なフックにかかっている。 Jの字に曲がったフックなので、すべって落ちる事はまずない。 ではフックごと取れたのか? いや、フックはそのままちゃんとあった。
それに、もし外れて落ちたとしたら、その真下にある食器や調味料を直撃し コップを割り、醤油をなぎ倒すだろう。そういう位置なのだ。 なのに、他のものには一切触れず、重いフライパンだけが床に転がっていたのだ。
まるで、誰かがフックからフライパンを外してまっすぐ床に落としたか フライパンが重力に逆らい、綺麗な放物線を描いて落下したとしか思えない。
オッサン君の亡弟、シュー・トメの亡末息子の「もも」が 帰って来たに違いない、と二人で結論した。 そう考えねば、墓地の振動するバケツも、落ちたフライパンも説明がつかない。
その夜、自宅に戻り、今日あった不思議な出来事を オッサン君に話している時に、最後の不思議が起こった。
今度はうちの台所で、何かが落ちる音がしたのだ。 それは、なにか「紙のようなもの」が落ちたような音だった。 オッサン君は「カレンダーが外れたと思った」とその音を表現した。 私は、カレンダーよりもう少し厚い本を、バサッと床に落としたような音だと思った。
すぐに確認に行ったのだが、不思議な事に何も落ちていなかった。 カレンダーはちゃんと壁にかかっていた。本も落ちていない。 棚の中も、トイレも、浴室も、全部見たが、何も落ちてはいなかった。
空耳とは思えないハッキリした音だったのに、一体何の音だったのだろう。
「ももがウチまで遊びに来て、うさぎがいてビックリしたのかもね」
と言って二人で笑った。 そう、多分宇佐山さんも帰って来ているだろうから。
何気に兄の家に遊びに来たら、いきなりうさぎにペロっと足をなめられ 『うわっ!なんじゃ!びっくりした!』と、 持っていた何かを取り落としたのであろう、という事で話は落ち着いたが その落とした物がなんであったかは不明である。
+・+・+オッサン君のメロディー+・+・+
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ムッキー
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