ムッキーの初老日記
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先日の日記で、オッサン君が私を梅宮辰夫と言ったと書いたが ヤツの目下の夢は、↓こういう会話がしたい、と言う事らしい。
「『オッサン君の奥さんってどんな人?』 『あれだよあれ、あれに似てるんだ、梅宮・・・』 『梅宮アンナ!?すげえ美人なんだー!うらやましい!』 『アンナじゃねーよ、辰夫、辰夫。』
・・・って言いてえなー。あー誰かに聞かれねえかなぁ〜!」
小憎らしいヤツだが、よく考えると「これでいいのだ」と思う。 オッサン君は私を、ちゃんと私として見ているのだ、と。 私だってオッサン君をオッサン君としてしか見たことがない。
恋は、たいがいが勘違いだ。 だがその勘違いがあまりにも甚だしく度を越している場合。恋は続かない。
例えば恋のはじめ。 松たか子もしくは松嶋菜々子に似てるな♪と思っていた彼女が ある日それはたか子や菜々子ではなく、実はホンコン似だと気付いたら・・・ 一気に醒めるだろう?
そういうことなのだ。
大恥と誤解を覚悟で告白する。 大昔、私はある人にナントビビアン・リーに似ていると言われた事がある。
リアル・ミーをご存知の方は、心ゆくまで笑ってもらってもかまわんよ。 お気のすむまで笑うがよい。
ビビアン・リー。 不朽の名作「風と共に去りぬ」でスカーレット・オハラを演じた美しき大女優。 当然だが私はまったくビビアンには似ていない。 その頃は今よりもかなり痩せていた事を考慮しても、耳の形すら似てはいない。 なのにその人は、それを第三者がいる所で言い放ち、同意を求めるという暴挙に出たのだ。
「ムッキーって端正な顔してるよな、あれに似てるよ、スカーレットやった女優・・・ ビビアン・リー!似てる似てる。な?似てるよな?」
私「( ̄□ ̄;)!! やめれーー!(←心の叫び)」
「え・・・え、ええ・・・そう言われれば・・・えーっと・・・眉毛が・・・」
しどろもどろになる第三者氏。 私はいたたまれず、下を向いたまま何も言えなかった。
その時予感がした。この恋は続かない・・・と。 私がビビアンに見えているということは ふと平静を取り戻した時、こいつはビビアンだと思っていた女が 実は辰夫だったという衝撃体験をする事になるのだ。
それは醒める速度もマッハ級というものだろう。
私の予想通り、まもなくこの恋は終わりを迎えた。 この出来事を見れば、そうなる事は初めから火を見るより明らかだったのだ。
オッサン君は、そういう兆候が一切なかった男だ。 志村けんに似てると言われると告白したら「そっくりだ」と大笑いをしたし 今まで例えられた有名人は、志村と梅宮を筆頭に、しのざき美知や バーバママ、ペンギン、モリクミさん、森三中の真ん中、など ムカ!っとは来るが「まあ確かに」と納得できる人ばかり。
初めから「そのままの私」が見えているという事は 今後も容姿で幻滅される事はないだろう。 辰兄だと思っていた女が、実は松方弘樹似だったとしても 「詐欺だ!」とは言われないであろう。
その判断は正しく、知り合ってもう18年の年月が穏やかに経過している。
+・+・+オッサンズ12+・+・+
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ムッキー
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