ムッキーの初老日記
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かの「源氏物語」には 光源氏の年上の恋人、六条御息所の生霊が 知らぬ間に自身の体から抜け出し 源氏の正妻葵上や、新しい恋人夕顔のもとに現れ 取り殺す・・・という話がある。
そこまで激しいものがあるかどうかは不明だが 生霊と言うのは、案外簡単に自分の体を抜け出す、と聞く。 恨みやつらみなどなくても 極端な話「あの人は元気だろうか?」と思っただけでも。
本当だろうか・・・?
信じない方には「んなわけは、ない。」という バカげた話に聞こえるかもしれない。 だがこれから書くのは、つい先日私が実際に経験した話だ。
その日、私は朝から酷い頭痛に悩まされていた。 頭痛は持病なので日常茶飯事なのだが この日の頭痛は、いつもと違っていた。 朝目覚めた時から、頭全体を何かに締め付けられるような とても激しい痛みだった。
何も出来ない。 私は家事もバイトも放棄して、布団でじっとしているしかなかった。 頭痛薬は全く効かなかった。 耐え切れず、2時間もおかずに追加を服用したが、それでもダメだった。
眠れもしない。 ふっと眠りに落ちそうになる私を、激しい痛みが現実に引き戻す。 さすがに不安になり、このまま死んだらどうしようとまで考えた。
午後になっても、耐え難い頭痛に支配されたままの私に 一通の携帯メールが届いた。 福島に住む友人坂本ちゃんからであった。 その内容は、私を震え上がらせた。
変なこと言ってゴメン! ムッキーのそばに、女の人が見えるんだ。 生霊じゃないかと思う。 体調に気をつけて!
いったい、遠く離れた福島から、何が見えたと言うのか。 だが私は、すぐにそれを信じた。 何故なら坂本ちゃんは私の75倍くらいカンが強い。
ふざけ半分や冗談でそんなことを言う女じゃないことも知っている。
「実は今日、酷い頭痛で参ってる。」
そう返信した後、私は目を閉じ、感覚を研ぎ澄ましてみた。 軽い瞑想のようなものだ。 女の生霊・・・いったい誰?どうして・・・?
ふと、私にもその人の輪郭が見えたような気がした次の瞬間 私は眠りに落ちたようだ。 メール着信音でハッと気づくと、30分が経過していた。
頭痛は、さっきまでの痛みが嘘のように軽くなっていた。 少し、余韻を残すのみ。
メールは、坂本ちゃんからだった。
頭痛どう?軽くなった?
なったよ・・・。ホントになった。 「何かしたのか?」と返信すると
いやまあ、ちょっとね('-') 良かった!軽くなって。
多くは語らない坂本ちゃんだったが 私のために何か力を貸してくれたことは確かだ。
この話は、全く信じられないと言う方も多いだろう。 私だってもし自分が経験したことでなければ、信じないかも知れない。 だが、実際経験した「実話」として日記に残したかったので 胡散臭いと思われるのを覚悟で、今回思い切って書くことにした。
坂本ちゃんへの感謝も込めて。
◆◇酒と涙とオッサン君◇◆
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ムッキー
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