ムッキーの初老日記
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2002年08月27日(火) |
ミクロマン・ドリーミング |
私が小学校の3、4年生の頃に 「ミクロマン」 というオモチャが流行った。
それはタカラから発売された、大きさが10数cmのフィギアで、
これが主に男の子達の間で大ブームになった。
近所に住む幼馴染の兄弟がこれを持っていて、いつも見せられるうち
私もだんだん「ミクロマン」に魅了されていった。
私も自分用のミクロマンが欲しい!
だが、親に頼んでもムダだった。
どんなに泣いて頼もうが財布の紐は緩めない、厳しい母であった。
チャンスは夏休みに訪れた。泊まりに行った祖父母のところで
私はまんまとお小遣いをせしめたのである。(¬▽¬)ニヤリ・・・
家に帰ってからすぐに、私はせしめたお小遣いを握り締め
デパートまでバスに乗って、一人で買いに出かけた。
親が連れて行ってくれるという日曜まで待ちきれず
「やめとけ」というのを振り切っての、小さな大冒険だった。
デパート前でバスを降り、すぐオモチャ売り場に向かった。
何回も親と来ているのですぐにたどり着く事が出来た。
あった!ミクロマンだ!
そこには色んな種類のミクロマンや、その付属品が沢山並んでいた。
どれにしよう?何色にしよう?
その時、ミクロマンがバイクに乗っている絵が描かれた箱を発見した。
かっこいい!私はひと目でそれが気に入った。
値札を見ると意外に安い。予算内でおさまる値段だった。
バイクが付いていてこの値段はオトクだ!
私は迷うことなくその箱を持ってレジに行った。
遂に憧れのミクロマンを手に入れた。願えばいつかは叶うものだ。
だが・・・・。
帰りのバスの中。
私は家まで待ちきれず、包み紙の端ををそっと破ってみた。
するとどうだろう。そこにはこんな信じられない事が書いてあった。
注意:この商品に
ミクロマン本体は含まれておりません。
(゚口゚)!
私が買ったのはミクロマンを装着して走らせるバイクで
箱に描かれていたミクロマンは、ただのイメージに過ぎなかったのだ。
どうりで安いはずだ。
私は泣いた。バスの中で泣いた。
周りの大人が心配して、乗り間違ったのか、とか
財布を落としたのか、などと声を掛けてくれたが
返事すらしたくない。私がしたいのは返品だけだ。
だが今ならいざ知らず、9歳の私には一回買ったものを返品するなんて
とても出来る事ではなかった。親にも言えなかった。
「だから日曜まで待ちなさいって言ったでしょう!バカ!」
という、母の怒号が聞こえてくるようだった。
泣きながら家に帰り、私はピカピカのバイクを取り出して遊んだ。
「ぶっぶー・・・・・」(゜_゜)
夕方、仕事から帰った母がそれを見つけて
「なんでバイクなんか買ったの?」と聞いて来た。
「これが欲しかったんだもん」
これが、9歳なりの精一杯のプライドだった。
結局私はミクロマンを手にすることなく大人になり、
現在に至っている。
◇◆オッサン君の独り言◇◆
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