ムッキーの初老日記
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友人Mちゃんが嫁いだ地域では、子供に「こども会」が、 若者に「青年団」が、主婦に「若妻会」があるのと同じく、 男は40歳になると自動的に『初老会』という団体の会員になるのだという。
Mちゃんのご主人は去年めでたく初老会の新米会員になった。
初老会は何歳までで、次は何という会になるのかは聞き忘れたが、 40で初老会とはすごいなあと思った。
40歳といえば働き盛りもいいとこで、子供もそこそこ大きくなり、 マイホームなんかも手に入れ、会社ではそれなりの地位が与えられ 「○○係長」「△△課長」なんて呼ばれ、 あわよくばOLと不倫のひとつもしてみようなんて よからぬことを目論んだりするお年頃、 というイメージがある。 なのにいきなり
「さあ君も今日から初老会の仲間だ!」
と言われてしまうのだ。
「オレってもうそんなトシなのかよ・・・」
と、イヤでも自分の老いぶりを自覚させられてしまう。 なんだか逆効果という感じがする。 まあ浮気防止という点ではもしかしたら ほんのちょっと効果があるかもしれないが、 その他に初老会に入るメリットはにあるのか? その前にそもそもこの初老会とは何をする会なんだろう?謎だ。
私たちの「初老会」はここから名前を頂いたが 考えてみればこっちはもっとすごい。 30でも35でもたとえ20代でも、自覚症状が出た時点で入会資格が生まれる。
◆最近肩が上がらない ◆「ほら」「あれ」「あれだよ」が多くなった ◆酒が弱くなった。またはなかなか抜けなくなった。 ◆胸焼け、胃もたれが頻繁になった ◆雨の日は関節が痛い ◆キズがなかなかふさがらない ◆CDを「LP」といまだに言ってしまう ◆胃にピロリ菌がいる
1個でも当てはまれば初老会に即入会だ。厳しいものだ。
こっちの初老会にもメリットなんかないじゃないか! と言われそうだが、それがあるのだ。
お互いの老いっぷりを指摘しあって笑いあうのだ。 笑っていると「そうかみんなそうなんだ。私だけじゃないんだな」と 老いるのが少しだけ怖くなくなってくる。
しかも笑うとNK細胞が増えて、ガンや老化を防いでくれる。 これはすごいメリットだ。一石二鳥という感じがする。 どうせなら楽しく老いてゆきたい。
今夜は飲み会がある。メンバーはもちろん全員同年代、初老会メンバーだ。 前出のMちゃんも来る。元祖初老会のこともよく聞いてみよう。
それよりなにより酒が残らないよう気をつけて飲もう。
ムッキー
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