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2004年09月17日(金)   暗黒童話/乙一

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突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは、眼が見てきた風景の「記憶」だった……。私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前に住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ちかまえているとも知らずに……。
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乙一さんのホラーって、あまりぞくぞくすることがなかったのですが、これは…。かなり怖かったです。
というかぐろい。想像ができるだけに、尚更。
人間の身体は、興味関心でいじっていいものではありませんよ>三木さん
記憶を失った「私」が、外界に違和感を感じる過程もリアルなかんじがします。すごい。
ところで、この本の中に「アイのメモリー」という作中の人物が書いた童話が出てきます。これって、eye(=眼)のメモリーなんですね。
この作中の童話、オチは哀しいものなのですが、美しく優しい場面でもあります。
話自体の終り方よりも、この作中童話の方がすきです。



もっとだ! もっと! 鴉は思いました。もっと目を集めて、少女に世界中のものを見せてあげたい。世界中の人間の目を、この嘴を使って集めてこよう。そうすればこの子は、きっと大喜びするにちがいない。
彼女が眼球を隠して保存しているガラスの瓶、それをいっぱいにしよう。感激のために涙を流す少女を見て、鴉は誓いました。


乙一:暗黒童話,p.22-23,集英社.















ゆそか