2003年08月03日(日) |
3way Waltz/五條瑛 |
++ 大型旅客機の墜落から16年後の夏――大惨事の背後に隠された策謀の存在が浮上した。折しも、事故に深く関わったと見られる北朝鮮の女工作員<由沙>が東京に出現し、にわかに防衛庁、米軍、北朝鮮、さらに正体不明の男たちが暗闘を始める。時を同じくして、墜落で母を亡くした遺児恭祐の身辺も激変した。新任保護司の異常な介入、不審なビル火災、ついには父浩太朗が何者かに殺された!狙われた亡き母涼子の遺品に隠されたものとは?外務省内の抗争も絡んだ三つ巴の諜報戦(スリーウェイ・ワルツ)を、最後まで踊り続けるのは誰だ?(裏表紙より抜粋) ++ ごじょセンセのジャンルは、スパイものとかハードボイルドとかそんな括りに入るのだと思いますけど、家族について考えさせられるものが多いです。それと日本って国の甘さ。これもそう。 いろんなものを削ぎ落として、残るのっていったい何なんでしょうね。私にとって、それが国でないことは確かですけど、家族ではあるかもしれません。 さて、今回のヒーロー(すでにヒロインではないでしょう!)由沙姐さん。かっこいいです。あれだけ強く自分のすべきことを確信して、それに従って動けるなんて、すてきです。今回は、由沙姐さんのひとり勝ちと言ってもいいのでは。 ところで、ごじょセンセの鉱物シリーズの既読者にとって、おいしいシーンがかなりありました(むふ)。 はっきり名前は出てきませんでしたが、髪の長いアナリストって絶対に葉山さんだし、腹黒い新聞記者って洪さんだし、葉山さんがエディさんのダンヒルを忌々しそうにしているのはきっとサ様のせいだし。 おいしいですねー。
「あんたは、自分の生き方を自分で決めることができるのよ。(略)」
五條瑛:3way Waltz,p.327,祥伝社.
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