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2003年07月20日(日)   迷宮百年の睡魔 LABYRINTH IN ARM OF MORPHEVS/森博嗣


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一夜にして森が消え、周囲が海になってしまった伝説の島イル・サン・ジャック。ミチルとロイディがこの島の宮殿モン・ロゼを訪れた夜、砂の曼陀羅の中で僧侶の首なし死体が見つかる。いったいどのようにして殺したのか?誰が頭を持ち去ったのか?
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「女王の百年密室」から3年。出版社が変わりましたが、続編です。
この本の帯に、「女王ふたたび すべてを彼女は知っている。すべてを彼女が操っている……。」とあるのですが…。
小さな島で、睡眠を繰り返しながら、人間の生の新しい形を生み出し、見守っている彼女。人間という存在を愛しているがゆえなのかな、と感じましたが…。興味がある、っていうよりは、やっぱり愛なんだと思います。
ところで、ミチルとウォーカロンのロイディの会話、前作よりかなりすてきになってます。
作品のなかで、ロイディが、「ミチルは私の意見を誉めてくれる。これは情報として、非常に価値がある。またミチルの曖昧さを許容するために多くのメモリを使う。この作られたニューラルネット情報は重要な資産だ。私が変わっているのは、ミチルが他のユーザに比べて変わっているからだ」というようなことを言うのですが、その件はとてもおもしろいです。ロイディがかわいいし。
ミチルのロイディへの接し方って、子どもに接するときと似ています。子どもは、他者に向けられる言動を見るよりも、自分に向けられる言動によって成長するのだと考えているので。
そんなロイディを見て、女王は興味を示し、自分のウォーカロンのパトリシアに、ミチルに着いていくよう言う。そして、3人で島を出ることになるのです。これって、次の話を期待しちゃってもいいんですか?>森先生
ミチルの謎もまだ中途半端ですし…。



「人間はまだ進化が必要ですか?」
「そうね。それは、人間が必要か、という問と同じ」
「人間は、必要ですか?」
「必要なものであってほしい」


森博嗣:迷宮百年の睡魔 LABYRINTH IN ARM OF MORPHEVS,p.483,新潮社.






ゆそか