妄想暴走オタク日記


2007年07月27日(金) ※本当はこっちが中途初

オタクって一旦書いてしまうとダメなとこありますよね。
書くほど発見があるからだと思うんだけど、だからオタクは混乱した時や感傷的になった時によく、ものを書きます。そうする事で不思議と気持ちが落ち着いて、そういう時にものを書ける(良し悪しは別として)事をありがたいなぁと思うんですが。

そんな訳で反応を頂けたのが嬉しくて、実はこっちを最初に書いていた後徳福も上げちゃいます。A倉さんに送った書き殴りだったので、ちょっと書き足して、それでもおおむね自分的大前提はこんな感じなのだなぁとしみじみ。良くも悪くも一番初めに書いたものって、自分の中で大きいですよね。あぁこんな風なイメージだったのかぁ、とか。だから最初を間違えてしまうと、もう修正出来ない事も(笑/BOYSとか)

ま、そんな病んでる中途です。色々病んでる人は大好きです。








T→F
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 果たしていつからだっただろう、と徳井は思う。

 目線の先には、のんびりと寛ぐ”相方”の姿。
 出会いは幼稚園まで遠く遡る。長い付き合いにはよくある話で、付いたり離れたり、親友と呼べた頃もあったし、疎遠になった時期もあった。幼馴染という関係が、パートナーに変わるだなんてもちろんその頃の自分達は夢にも思ってなくて、正直今だって半分夢のような気持ちでいる。
 お笑いをやって行こう、と思ったのは割と早い時期で、けれどそれは福田とではなかったと思う。だから黙って自分だけNSCに入ったし、そのコンビを解散しても、フラフラするだけの毎日だった。
 自分からは、言おうとは思わなかった。
 だから結局、もしかしたら自分は福田に言われるまで待っていたのかも知れないと思う。大事な事は福田に任せきりで、それは今も、たぶん。誘い受けのような意地汚さで、福田が動くのをぼんやりと待っていたのだ。
 そうやって、今も昔も自分はまるで意気地がない。きっと気付かれているのに、言葉にする勇気がない。それどころか、この気持ちを認める度胸がない。
 それは、いつからだっただろうかと、徳井はいまだぼんやりと福田を眺める。
 芸人として、コンビを組み始めた頃からだろうか。それとも人生で一番軽薄で濃厚だった浪人時代から?同じクラスだった中学2年生?それとも小学校低学年?
 それとももしかして、出会ったばかりの幼稚園の頃だっただろうか。
 「徳井くん、何ぼうっとしとるん」
 すっかりペンが止まってしまった自分を訝しんだ福田が、覗き込むような目線を向けてくる。徳井の視線に気付いていたのかいないのか、自然な動作で隣に腰を下ろした福田は、手にしたコーヒーの入ったマグカップを「飲む?」と差し出した。
 女のように赤い口紅が付いている訳ではないけれど、確実に福田の唾液を付着させたそのカップを受け取って、どのあたりで飲んだのだろう、と探した自分は呆れるほど病んでいる、と徳井は思った。



G→T
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 「何やお前、冴えへん顔しとんのう」

 気持ちええ事した後くらい、満足した顔せえよ、と後藤は笑う。
 そうだろう、と徳井も思う。だって実際に身体は満足していて、今、情事の後の心地いい気だるさが徳井を支配していた。べったりと汗やそれ以外のものの滲んだ身体にクーラーの涼しい風が心地良くて、シャワーを浴びるのも面倒で、徳井はそのまま眠りに落ちたくなる。
 けれど堕ちていく瞼の裏側に、不意に浮かんだ顔を理解した瞬間に、徳井の意識は覚醒し、心臓の音が高鳴る。もう、どれぐらいその姿を焼き付けたかも分からないのに、それでも。
 「まぁた福田の事考えとんな」
 お前もホンマ、病気やで。と、中途半端に着崩したままの白衣(今日は病院プレイだった)を暑そうに脱ぎながら、後藤は笑い顔を歪める。視線の先に見下げる徳井の考えている事は丸分かりで、相変わらず行動と思考がちぐはぐな彼に失笑を浴びせてみても、その姿が不憫なのか、滑稽なのか、いまいち分かりかねた。
 同情なのか、好奇心なのか、それとも、と思う。
 それともこの感情は、他の何物かなのだろうか。
 徳井の求めるままに、何でもしてやろうと思う。
 それはただの暇つぶしのつもりで、だから何の見返りもなく。実際、保証だって何一つないのだ。もう次はないかも知れない。それでも乞われれば与え、愛して、繋がる。そうやって触れる徳井のアンバランスな愛情と執着と狂気を見届ける。
 実際、自分が何をしたいのかなんて、後藤には分からない。
 分からなくても別に構いやしない、と後藤は思った。



F→T
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 忙しい一週間が終わって、深夜のタクシーに揺られながら、福田はふと目を醒ました。肩の重さに気が付いて目が覚めたのだ。
 珍しいその重さは徳井の頭一つ分で、福田が起きてもなお、余程疲れているのか、彼自身はまだ目を覚ます気配もない。目的地まではまだまだ距離があったから、慌てて起こす事もなかったのだけれど、それ以上に珍しいその状況に、思わず福田はまじまじと肩に乗るその顔を見つめてしまう。
 お笑いのコンビとしては微妙に求められる風潮もあったから、なんとなくネタとしてホモくさい意味で絡む事はよくあったけれど、舞台を離れた徳井は逆に、驚くほど福田と距離を取った。
 時に不自然なほどのそれに、福田としても戸惑う事もあったけれど、そんな時の徳井には、福田に対して突っ込みを許さない雰囲気があったから、何となくその事に対して問う事は止めた。
 逆に、意識されているのかな、と福田は思う。
 徳井が何かしらの思いで自分に対して距離を取っているのは知っていた。だからこんな風に肩に凭れてくるなどというのは、本当に珍しかったのだ。
 だから嬉しいのだろう、と福田は思う。
 肩に感じる徳井の重みが心地良くて、ほっとする。
 耳元に聞こえる規則正しい寝息に、満ち足りた気分になる。
 落ちた瞼にかかる睫毛は長く真っ直ぐで、至近距離で見れば見るほどやっぱり男前やなぁ、なんて。その顔が端正であればあるほど、福田は不意に、胸をつまされるような気持ちになった。
 徳井が恐らく自分を好きである事を知っていた。

 「別に…ええのに」
 呟いた声はあまりに小さすぎて、寝ている徳井はおろか、運転手にすら届かなかった。



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と、いう訳で勇気が出ました、の拍手お返事。

7/26
◎22時の方へ
●こんばんは!まさかまさかの中途に※をありがとうございました(笑)!福ちゃんかわいいですよね!もぅひらがなで「ふく」という字面のふくふくしさにすら萌えてしまう末期なわたしなんですが、タイムリーに共萌えで嬉しかったです♪思い込みだけの中途観ですが、楽しんで頂けたのならよかったです♪


…と、打っていたら更なる※が!ありがとうございますー!浮かれます!

7/27
◎1時の亮雛好きさんへ
●亮雛好きさんこんばんは(笑)!徳福もお好きだなんて奇遇で嬉しいです!中途はプラトニックが似合うと思うんですよ〜。そんな福ちゃんはもちろん可愛いんですが(断言)岩尾っちはま、まだ…(笑)。そんな亮雛好きさんを見習ってわたしも精進しま、す!



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