A Will
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大切に、壊れないように、扱ってもらいたいわけじゃない。
それでも、体温が上がるのだから仕方ない。
淡い慕情。
手が届かないと知って、けど、手を伸ばせば触れられるから、 その掠める痺れが好き。
抱きしめられる感触も、残り香も、伴う痛みも、 なんの覚悟もないまま拒みきれない理由も、彼が好きなわけじゃなく状況が好きだということも。
すべての熱が冷めて、目が覚めるように、何もかもなかったと思う日がいつか来て、その時わたしは少し寂しいと思うことができるんだろうか。
そうあってほしい。
そうして、彼も寂しいと思ってくれたら、関係としては、成功なのかもしれない。
夏の暑さが終わりを迎えて、余熱さえ奪う秋の涼しさに、 煙草の香りが懐かしくて眩みそう。
向いていないことなんて解り切っていて、 何故、わたしだったのか少し不思議で、 分からなかったと、嘯いていたいよ。
漂って、
ただ酔って、
そう見せかけて、すべてが早く壊れてしまえば良い。
わたしは存外、現実的なんだ。
ロマンチストには、きっと永久になったりしない。
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