A Will
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2005年12月06日(火) |
息の白くなる部屋にふたりきり。 |
夜に来て。朝に帰る。
君ときたら、わたしは夜は1人で眠れないものだと決め付けてた。
思い出など嫌いだ、と漏らした夜に君はいた。
君は温かい。 ああ今は君の必要な季節だよ。
疑わなかった。 なんでだろう。あの日から。腕を掴まれた日から。
不思議とも思わなかった。
君はわたしを好きだった。誰より好きでいてくれた。
と言うより、好きでいるほか仕方なかったんだろうけれど。
「永遠でしょ」
上弦の月。「きれえ」と言ったのを覚えてる。
君は、そんなわたしを見て、すこし眉を上げた。これも覚えてる。 そうして、また口を開くの。薄くね。
「永遠でしょ」
あの時、わたしは答えなかった。 どうでも良かった。
君がいた。わたしもいた。
君の手は相変らずあたたかくて、あの人の手の冷たさを思い出すにはちょうど良かった。
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