A Will
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桜の下を歩いた。
下らないことを思い出す。 あれは春の出来事じゃない。冬だ。
降ったのは、雪。
桜の花びらじゃない。
溶けないから、春って苦手。思い出せーって脅迫されてる気分。
それでも良いんだけどね。
人がいる時間のお散歩。強い風が耳を冷やした。
会いたくなかった人に会った。
声を掛けられたあたしは露骨に嫌な顔をしてしまったらしい。 謝られた。ごめん、暇じゃないね。
暇だっての。 何謝ってんの、そーゆーのが嫌なんだよ。
言わない。人いるし風強いし耳冷たいから。
不穏で幸福な空気が押し寄せてくる気がした。怖いな。
桜の樹の下。 埋ってるのは屍体よりも嘘のほうが多いと思う。
そっちのが、綺麗だとも思う。
嘘でも本当でも、本物なら、あたしは良いのだけどね。
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