日本人への遺書(メメント) 天本英世・著/ 徳間書店・刊/ 1600円/ ISBN4-19-861124-6
天本さんが遺志どおりスペインで散骨されたという小さな記事をこの間偶然目にしました。天本さんは生前から『日本は嫌い、日本で死にたくない、日本の土になりたくない』と仰っていたのを何かで知っていたので、この記事は他人ながら、若輩ながら非常に嬉しく思いました。それで思い出してこの本を図書館で手配したのですが、読んだら本当に、遺志が忠実に実行されたようで、もっともっと嬉しくなりました。 それにしてもこの本は本当に深くて痛い。 天本さんはご自分を『非国民』と仰っていますが、私は読みながら『良いクレーマーはよいお客様』という言葉を思い出しました。 どこかのサポセンの標語だったと記憶していますが、この天本英世さんという大いなるクレーマーのクレーム(遺書)を受け手である私はどう受け止め、生かしてゆくか。課題が一つ出来ました。
31歳がん漂流 奥山貴宏・著/ ポプラ社・刊/ 1450円/ ISBN4-591-07904-X
ずいぶん前の新聞記事で奥山さんのことを読んでいました。ふと思い出して、まだ存命かしらと調べたら、今年4月17日に亡くなっていた事が分かりました。 病気や余命を告知され身体もどんどん辛くなる中、精力的に物凄く『生きた』方だったんだなと思います。 なにより「がん」という物凄い病に、奥山さんは甘えなかった。がんだからといって原稿は落とさない(ライターさんでした)、痛い苦しい死にたくないという感情を排除した文章を書くなんて、私には到底できそうにないです。 私より年下だったんです。。。ご冥福をお祈りします
……なんだか2冊とも故人の本になってしまいました(汗)
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